オルケスタ・ブエナビスタ・ソシアル・クラブ


オルケスタ・ブエナビスタ・ソシアル・クラブを見に行きました。
素晴らしいライブでした。

(※演奏中の撮影はやめて、ってアナウンスがあったので、開演前の写真だけ載せます。)

でも、「あの音」ではなかった。
だって、オリジナル・バンド・メンバーで残って演奏できてるのは、実際にはラウー奏者のバルバリートだけですから。
ペットのグアヒーロもいるけど、ほとんど吹いてない、というか、たぶんもう楽器をちゃんとは吹けない、少なくとも以前のようには吹けない状態なんだと思います。
ほとんどのパートは、隣に立つ若いトランペッターが吹きます(なんと、孫らしい!)。
"チャンチャン"でも、レコーディングのあの例のトランペットのフレーズを、若い彼がそのまま吹いてました。
ちょっとせつなかったな。
オマーラはボーカリストだから、バンドとは別枠で。
なので実際のバンドは、キューバの一流ミュージシャン。
オリジナル・メンバーのライブは見てないから比較できないけど、ライブ盤や映画で感じた、意味不明に暖かいサウンドとは違うものでした。

違ったけど、いいバンドでした。
極上のライブを楽しみました。
ただ、ギターの人は微妙だったな。
スタインバーガーみたいなヘッドレスの楽器のエレアコ的な音色が、ブエナビスタのコンセプトには合わない気がして。
やっぱアコースティックの響きの方がいいなー。
プレイも、オシャレすぎるんだよな。
フュージョンとかやっちゃう人なんじゃないかな。
でもそんなに目立たなかったからいいや。
バンマスぽかったけど、もし最初のブエナビスタの時に彼が仕切ってたら、あんなにオーガニックな音にはならなかったんじゃないかな。
そうすると、ライ・クーダーの姿勢がいかに音楽への敬意に満ちたものだったかと思えてきて、あらためてライに感謝しました。

極上のバンドに乗るオマーラの歌。
サービス精神がすごくて、とにかく過剰なくらいに客を煽ってくる。
バルバリートはまだまだ元気に演奏できてて、ソロでも盛り上げてくれます。
この二人がいなかったら、「ブエナビスタ」ではなくて、キューバの一流バンド、ってだけだったかもしれない。

ペットのグアヒーロの音は聞こえないけど、端に座ってるだけで存在感がある。
一曲だけ、ちゃんと吹いた曲がありました。
シンプルなメロディを何度か繰り返すだけだったし、音もふるえて不安定だったけど、これが良かった!
なんでか心に響いてくるんですよね。
自分の中に、音源で聞いた感動が刷り込まれてるからなのかな、もうよく分かりません。
もっと彼の音を聞きたかったなー。
ステージの最後に紹介されて立ち上がった(と記憶してます)時は、なんでか胸が熱くなりました。

会場も、大きすぎず見やすかったです。
僕は二階でしたが、一階は総立ちで、ブエナビスタでキューバ音楽を知ってダンス教室に通い始めたような女性達が通路やかぶりつきで踊ってる。
アイドルのコンサートか、ってくらいに熱狂的に手を振ってるファンの人もいました。
隣の席は、おばあちゃんが一人で来てたし、いわゆる「音楽ファン」ではないお客も多かったように感じました。

びっくりするくらい多くの知り合いに会いました。
音楽つながりじゃない友達にもバッタリ会ったし。
会場では会わなかったけど、後でFBで来てたのを知った人もいたし。
みんな見に来るんだなー。
それも嬉しかったです。 

みんな、色んな想いを持ち帰ったんだと思います。
行って良かった。
素晴らしい夜でした。

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