2015年1月27日火曜日

Bulletproof Musician: 集中力を高めるスキル-「マインドフルネス」

Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。
ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。
音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。



How to Reduce Mind-Wandering nd Be More Focused in Critical Situations
http://www.bulletproofmusician.com/is-this-the-key-to-being-less-distracted-on-stage-and-in-the-practice-room/

※今回は、「マインドフルネス」についてです。
潜在能力を引き出す方法として、欧米では数年前から注目されています。
まだ日本にはあまり入ってきておらず、上手く内容を表す訳語も定着していないようです。
「気づき」「覚醒」などと訳されています。

目の前のことだけに意識を集め、雑念を取り払う、というイメージでしょうか。
一応、日本語の書籍も出ていますし、団体もあります。
が、それらはニューエイジ・宗教的な雰囲気が濃厚で、個人的には馴染めません。
良い情報源があればお知らせください。



まずは手を洗ってきて下さい。
理由は後から説明します。
いま触っているパソコンのキイボードあるいはスマホの画面は汚れてるはずですから、ちょうどいいでしょう。

さて。
手を洗っている間、何を考えていましたか?
流れる水の感触や、汚れが落ちていく様子、タオルの質感、水分の乾き具合などを、意識していましたか?
細菌だらけの携帯電話や、どうでもいいような何か他のことを思っていたのではありませんか?

こうして思考が逸れるのは、脳の性質と言えます。
雑念に費やされる時間は非常に多く、なんと一日のおよそ47%にも上るのです。

音階練習の最中に、ランチに何を食べようか、と考えてしまうことがあります。
ステージ上で音を出していない間、誰かの香水が気になる。
テスト中、残り時間を気にするあまり、問題に集中できない。

誰でも気が散ることはあるでしょう。
そのこと自体は、大した問題ではありません。
しかし、集中力によって演奏の質が大きく左右されるのも事実です。

これまでにも、いくつかの対応策を紹介してきました (頭を使う、 ランダム・プラクティス、 目標の具体化 )。
今回は、より根本的なやり方を取り上げます。
集中力のコントロールを目的とする、「マインドフルネス」と呼ばれる方法です。



マインドフルネス

読解力を左右するのは、集中力の持続時間だ、という研究結果があります。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究チームは、 「マインドフルネス」のトレーングによって、
a) 意識が散漫になることを防ぎ、
b) 読解力を向上させることができる、
という過程のもとに、ある実験を行いました。

まず、大学生48人にGRE (大学院進級のための共通テスト) を受けさせます。 

その後、学生たちを2つのグループに振り分けます。
「マインドフルネス」を学習するグループと、「栄養学」を学習するグループです。
当人たちには、同じような2つのプログラムを比較する、と説明しておきます。

両コースとも期間は2週間です。
その間に45分×8回のクラスに参加し、毎日課題をこなさなくてはなりません。

マインドフルネスのクラスでは、10〜20分かけて様々なエクササイズを行い、意見交換とインストラクターからのアドバイスがあります。
一日10分間の瞑想に加えて、日常生活の中でもマインドフルネスを実践するように意識します。

栄養学コースは、栄養科学の基礎と、健康的な食生活について学び、食べた物を毎日記録します。


マインドフルネスと読解力

2週間後、参加者は再びGREを受けます。
問題は異なりますが、同レベルのものです。

予想どおり、栄養学コースの学生のスコアに変化はありませんでした。
一方で、マインドフルネスを学んだ学生達は、たった2週間の期間で、平均16%もスコアを伸ばしました。 


マインドフルネスと集中力

さらに、集中力の変化を調べます。
自己申告に加え、特殊なやり方のテストを行います。
断続的にテストを中断し、その時点での集中の度合いをサンプリングしていくのです。

ここでも、マインドフルネスの効果が確認されました。
前回のテストの出来が悪かった者が、集中力の持続時間が飛躍的に向上し、スコアを伸ばしたのです。

二週間の間に行ったのは、テストの内容についての勉強ではなく、気が散ることを抑える方法です。
つまり、結果につながったのは、集中力の持続によって多くの内容を読み取ることができたからだと言えます。

ここに挙げた研究の他、スポーツの分野にもマインドフルネスは広まってきており、瞑想と同様、様々な局面において効果を発揮することが分かってきています。
もちろん音楽においても、練習から多くを吸収する、緊張状態で集中する、といった面で役立つでしょう。


マインドフルネスの仕組み

「マインドフルネス」による集中力の持続は、デフォルト・モード・ネットワークと呼ばれる脳の働き(休息時における脳の状態)を抑えるためだと思われます。
これまでの研究から、意識が散漫な状態では脳がデフォルト・モード・ネットワークにあることが分かっています。
その働きを抑えることが、意識の集中につながるのです。


マインドフルネスを身に付ける

日常生活の中でも、マインドフルネスを身につけるためにできることは多くあります。
例えば、ちょっとした動作に意識を向けるだけでもいいでしょう。
食べる動作を意識し、歩く動作を意識し、食器を洗う動作を意識してみてください。

もっと本格的に勉強したい場合には、瞑想のトレーニングが役に立つでしょう。

色々なやり方を試してみてください。


※参考書籍、参考サイトが上げられていますが、すべて英語です。興味ある方は、元記事のリンクから見てみてください。

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