『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』がゴールなのかもしれない

先日のコロリダスのレコーディングの、ラフ・ミックスが届きました。
まだ歌を入れてない曲もあるし、バランスも粗いのですが、バンドっぽくてなかなか良い予感です!
早く完成させたい!

ある箇所で『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を連想しました、というか、レコーディング直後のプレイバックの時に、『ブエナ・ビスタ~』みたいだね!ってみんなで話したのを思い出しました。

それで、久々に聞き直してみました。
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』

あー素晴らしい!
力が抜けてくるし、笑顔になるし、涙が出る。
ずっと聞いていたい。

初めて聞いた時の感動を覚えています。
ライクーダーの新譜として聞いたので、こんなサウンドは全く予想もしませんでした。
驚き、震えました。


聞いた途端に動けないほど感動した音楽が、いくつかあります。
ブリジット・フォンティーヌ『ラジオのように』、
タジ・マハール『ミュージック・ファ・ヤ』、
ライ・クーダー『紫の渓谷』のラスト・ナンバー「自警団員」、
そして、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。

「自警団員」は、スライド・ギターという楽器に魅了された部分も大きいです。
他の3つのアルバムは、どれも名盤中の名盤ですね。
僕の場合、幸運なことに、どれも全く予備知識なしに聞くことができたのが良かった。
タジ・マハールなんか、近所の図書館で適当に借りて聞いたら、あの音楽ですよ!
その時の驚きと感動ったらもう!


『ブエナ・ビスタ~』は、本当に究極の音楽です。
こんな音楽がやれたら、もう何も他にいりません。
ギターの、コーラスの、ピアノの音色に、何度も涙が出ます。
最近ボブ・グリーンについて書きましたが(続けた先にあるもの)、たぶんこの人達もみんなそう。
やり続けることで欲もなくなり、自我が消え、ついに音楽そのものになってしまったんじゃないか。
聞いてる方も、自分が音楽の中に溶けていくような感覚になります。
魔法のようです。
音楽って素晴らしいなーと、心から思わせてくれます。

当時、キューバ音楽をもっと聞いてみたいと思い、色々と調べました。
しかし、本などの文字情報はあるのですが、自分で音源を手に入れるには、やはり資金的に限りがあります。
周りにキューバ音楽に詳しい人もいなくて、自分で買うしかなかったんですよ。
いくつかのアルバムを御茶ノ水のJANISでレンタルし、数枚CDを購入し、そこから先には進めませんでした。

それが今、何年も経ってから、『ブエナ・ビスタ~』を連想するような音楽に参加することになるとは。
決して自分でそれをやろうと思ったわけではないのに。
不思議なものです。

僕はけっきょく『ブエナ・ビスタ~』からラテン音楽に行くことはありませんでした。
フレーズをコピーすることもしませんでした。
それでも、今の自分の演奏には、『ブエナ・ビスタ~』を聞いた体験が活かされてると思います。
そこから得た感動を、音楽に変えることができていると思います。

コロリダスのアルバムからどのくらいそれを感じてもらえるか、出来上がってみないと分かりませんが。
仕上がりが楽しみです。

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