2014年12月25日木曜日

Bulletproof Musician: 失敗しないのは、挑戦していない証拠である

Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。




The Kiss of Death and How to Avoid It
http://www.bulletproofmusician.com/the-kiss-of-death-and-how-to-avoid-it/



根性なしに出番は回ってこない

学生時代、「マーフィーの法則」のポスターで目にした言葉です。
ここからは、とても意味のあるメッセージが読み取れます。

(※マーフィーの法則をご存知ない方のために補足します。
これは、失敗は最初から決まっている、という、やや悲観的ともいえる”法則”です。

例えば、となりの列は常に早く進む、落とし物は最後に探した場所にある、パンを落とした時にバターの面が下になる確率はカーペットの値段に比例する、等です。)

ステージでの経験を思い出してみて下さい。
いざ演奏をはじめようとする時に、マーフィーの法則が頭をよぎったことはありませんか?
たとえば、
最初からミスをしてしまうのでは、と不安になり、慎重すぎる安全策を取ったことがあるのでは?

曲の出だしで慎重になるのは当然です。
ドキドキして、なかなか気持ちが落ち着きません。
自分の演奏にまだ確信が持てず、ミスを避けることばかり考えるでしょう。
しかし残念ながら、不安からくる安全策は、ステージで良い結果を招くものではないのです。


凡庸な演奏を目指すの

まず、第一印象が良くありません。
出だしで平凡な印象を与えてしまうと、後からそれを塗り替えるのは至難の技です
"アメリカン・アイドル"(アメリカのTVの有名なオーディション番組)で、審査員のSimon Cowell が「印象に残らない」と言うのを見たことがあるでしょう。
候補者にとって、これは致命的な一言です。
多くの人に興味を持ってほしくて番組に参加したのに、“石橋を叩いて"演奏するのでは、誰の記憶にも残らないでしょう。


さらに、“石橋を叩く” こと自体、実はそれほど効果がありません。
それどころか、最終的にミスを招く結果となります(なぜなら、“石橋を叩く” 演奏は、練習の時のものとはかけ離れているから
です)。
どんどん慎重になり固くなって、雪だるま式にミスを招いてしまいます。

リスナーに忘れ去られるような凡庸な演奏が目標であれば、“石橋を叩いて”演奏してもいいでしょう。
しかし、印象づけたい、気持ちを引きつけたい、と思うなら、勇気を持って演奏するべきなのです。


勇気は評価される

いちばん難しいのは、本番ではなくオーディションです。
多くの競争相手がいる中で、完璧な演奏をしようと、様々なことに考えを巡らせるからです。
ミスが少ないからといってオーディションに勝てるわけではありません。
審査員は、音楽にプラスの要素を持ち込める人材を求めているからです。
一緒に演奏してみたい、と期待させるかどうかが、ポイントなのです。

フィラデルフィア交響楽団のコンサートマスター、デヴィッド・キム氏は、オーディションで強い印象を残すのは、勇気ある演奏だ、と言いました。
それはカーテンの向こう側からでも判ります。
例えば、楽譜が譜面台に置かれてすぐに、躊躇なく演奏をはじめた、といった些細なことで差が出るのです。


勇気ある演奏のために

もちろん、"正しい" やり方はありません。
どんな方法であっても、勇気を持つということが重要なのです。
幸運なことに、勇気は 生まれつきの性質ではありません。
筋力と同じように鍛えることができるのです。
トレーニングで、段階的・体系的に筋肉への負荷を増やしていくのと、同じことだと思ってください。
次に、毎日の練習の中でできる方法を、挙げておきます。


勇気のための 6つのステップ

1. まず、課題を選びましょう
すでにマスターした曲の中から、(大音量、テンポが速い、といった)エネルギーを使うものを選びます。


2. 録音の用意をしてください。

3. 心拍数を上昇させます。
少し走ってくるのもいいでしょうし、飛び跳ねたり、何をしても構いません。


4. 力を抜いてリラックスし、自分の能力を信じるように意識します。
そのまま、心拍数が落ち着く前に、ゆっくりと楽器に向かいます。
上手く演奏することは忘れてください。
慎重さを捨て、安全圏からはみ出した演奏を目指すのです。
余計なことを考えず、失敗しても気にしないように。
たくさんミスをして、汚い音を出してください – 興奮のままに演奏するのです。
ここは練習室です。
自分の能力を模索するための場所であり、失敗しても許されるのです。

とはいえ、(例え数分間であっても)失敗をすることにはやはり躊躇すると思います。
そこで、助けになる言葉をいくつか紹介しておきましょう。

失敗しないのは、新しいことに挑戦していない証拠だ。
~ウディ・アレン~

クリエイティビティとは、失敗を許可すること。
そしてアートとは、その中のどれを捨てどれを残すのかにかかっている。
~スコット・アダムス~

安全というものは迷信です。
元から存在するのではなく、経験からそう思い込んでいるに過ぎないのです。
それは子供であっても大人であっても、同じことです。
危険を避けたと思っても、長い目で見れば安全という保証はありません。
人生の鍵は、冒険を楽しめるかどうかなのです。
~ヘレン・ケラー~

5. ノートを用意しましょう。
一回ごとに録音を聞き、気づいたことを書き留めます。
多くの発見があるはずです。
ミスは放っておき、良かった点に注目してください。
高ぶった状態から出てきた演奏の魅力を、新鮮に感じるはずです。

6. リセットして、また繰り返します。
最低 5〜10 回は繰り返してください。
始めの数回は聞き直すのが苦痛かもしれませんが、気にしないことです。
しばらくする内に、自分の演奏に潜む可能性に必ず驚かされるでしょう。

このエクササイズは、自分の中の新しい可能性を発見するだけに留まりません。
退屈な演奏と破綻した演奏との境界線を、はっきりと認識できるようになります。
次にステージに立つ時には、より確信を持って、安心して自分の背中を押すことができるはずです。

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