N.O.生活8 - 日本語の授業、冬休み

予想外の奨学金によって、授業の取り方も見直しました。
奨学金をキープするために、きちんと単位を取り、成績が落ちないようにしなくてはなりません。
UNOは大学ですから、一般教養もあって、これが大変。
もう授業はどうでもいいと思ってた所だったのが、一転して勤勉な留学生になりました。


外国語のクラスがありました。
アメリカの大学だから英語は母国語扱いで、英語以外の言葉を選ばなきゃいけない。
ただでさえ苦しんでる英語を使って、他の外国語の授業を受けるわけです。
地獄の苦しみが見えます。

困った挙句、ズルをしました。
日本語を選択したんです。
さすがに大丈夫かなと思って、ジャズ科の主任教授のエドに聞きに行ったら、笑ってOKでした。

それから、日本語を教えている先生の所にお願いに行きました。
だいぶ年配の、女性の先生でした。
たまーに僕のような生徒が来るそうで、快く協力してくれて、教科書まで貸してもらいました。
そう、教科書が、高いんですよ。
1冊一万円とか平気でしますからね。
先生のはからいで、授業に出ずにオンラインでテストだけ受ければいいことになりました。
で、テストで満点ばかり取りすぎないように、と注意を受けました。
いや本当、わざと間違えないと、すぐ満点取っちゃうんですよ。
あとは、学期の初めと終わりに先生の所に教科書を返しに行って雑談をするだけ。
すごく助かりました。


そうこうする内に、すぐ冬休みです。
校内は閑散としています。
校舎も閉まるし、寮に入っている学生のほとんどは実家に帰り、残っているのは留学生ばかりです。

学食も閉まります。
寮にはキッチンがないので、近くのスーパーでトルティーヤ・チップスとサルサ・ソースを買い込みました。
あとは食パンにピーナツ・クリームを塗ったのと、飲み物はコーラとインスタント・コーヒーで過ごしました。
それが一番安くてお腹が膨れるからです。

でもね、サルサ・ソースもピーナツ・クリームも種類が豊富で、なかなか楽しめるんですよ。
もちろん、たまには冷凍食品も食べたし、もっとたまには外食もしました。
と言っても、近くで食べるにはバーガーキングしか選択肢がないんですけどね。

冬休み中、ジャズ科で僕の他に寮に残っていたのは、韓国から来たドラマーのジュン・ホーだけでした。
彼は車を持っていたので、乗せてもらって町に出かけたり、よく一緒に過ごしました。
とはいえ、ほとんどの時間は練習室で過ごしていました。
それこそ24時間いつでも楽器が吹ける。
まだ学外で演奏活動もしていなくて、たっぷり個人練習をしました。
夢のようです。
いま思い返しても、幸せな環境だったと思います。
渡米から数ヶ月。
ようやく、落ち着いた気持ちでした。

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