過去はもうない。未来はまだない。

昨晩、突然に、嬉しい人から嬉しい誘いがありました。
音楽の話です。

思えば、今まで「営業」的なことはして来なかったし、すすんで愛想良くできるタイプでもありません。
それこそ、いま主導しているGWOにしても坂本さんとのデュオにしても、自分でアクションを起こして始めたわけではないですし。
そんな調子にも関わらず、ずっと色んな人達に声をかけてもらいながら、いい環境でいい音楽をやれてきた。
なんて有り難いことか。

ミュージシャンは多くの場合、それぞれ自分の得意なジャンルがあって、まずはそのジャンルの中でキャリアを築いていくと思います。他のフィールドに出ていくのは、その後からです。
ところが、僕の追及してきたニューオリンズ・ジャズという音楽は、もはや日本には存在しません。
キャリアを築くどころか、演奏することすらままならない。
音楽活動を続けるには、必然的に他ジャンルの人達と交わるしかありません。
幸いなことに、元々ロックから入ってルーツ音楽全般を聴いてきたので、僕は大抵のジャンルの人と違和感なくコミュニケーションが取れます。
そもそも、ニューオリンズ・ジャズを志向する以前は、ロック・バンドやってましたからね。
おかげで、様々な人と様々なタイプの音楽を演奏してこれました。

進路もなく流れるままにやってきたので、自分がどこに向かってるのかなんて考えたこともありません。
なので、いわゆるキャリア・アップとか、いい位置まで来たなとか、垂直方向の上昇感覚がないんです。
その代わり、横にどんどん広がっていく感覚があります。
次々と新しい人と出会って、その度に新しい楽しみがある。
気付いたら、以前は想像もしてなかったことをやっている。
ずっと、その連続です。

音楽に限らず、僕は具体的な目標というものを持ったためしがありません。
いつも、その時その時に力を注ぎ楽しむことだけを考えています。
そして、起こる結果に対して最善の対処をしていく。
全部の瞬間いつでも最善の行動をしていれば、後悔しませんからね。

そういうスタンスなので、考えず躊躇なく冒険ができるし、結果の善し悪しはあれど、それを面白がってくれる人がいて、僕に声をかけてくれるんだと思います。
おかげで、行き詰まることもなく今まで音楽を続けてこれた。


12月31日です。
今年はどうだったかと振り返ると、楽しかった。
去年も楽しかったし、一昨年も楽しかった。
いつも割と楽しいので、振り返ってみても感想はいつも同じです。
来年の抱負も、ありません。
だって、数か月もしたら、またぜんぜん予想もしない出来事が起こってると思うので。
漠然とした未来が楽しみです。
自分で決めずに、何が起こるか分からない方が、ワクワクします。
年が変わっても、変わらず考えずにやっていくつもりです。
来年も、よろしく。

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