Bulletproof Musician: 誰もが10秒で挫折する集中力テスト

Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。


A Classic Test of Focus That Most Will Fail in the First 10 Seconds


飛行機に乗ると、まずは機内ショッピングのカタログを開きます。
実際に購入しなくとも、やたら高価で不要な(それでも惹きつけるだけの魅力がある)新製品が競って並んでいるを見るのは、楽しいものです。
ときにはページを切り取って持って帰ることすらあります。
1万円以上もする持ち運び用パソコン台が急に必要になる可能性も、ゼロとは言えませんからね。


誰だって、カタログを見るときはこんな具合でしょう。
ところがある日、変わった人物に出会いました。
彼はカタログの商品ひとつひとつに目を通しながら、不要なものに大きく “×” 印をつけるのです。
どこが楽しいのかちっともわかりませんでした。


注意力という名の貨幣

この世界は、機内カタログが無限に広がっているようなものです。
まわりを見わたせば、景色、音、香り、そして自分の体調変化まで、いつだって何か注意をひくものがころがっています。
これらは全て、注意力という名の貨幣で購入できる対象商品と言えるでしょう。

もちろん、注意力には限りがあり、すべてのことに同時に注意を向けることは不可能です。
この点では、注意力は経済力と非常によく似ています。
機内カタログの商品も、その気になればすべて買うことだってできるはずです
しかし、預金残高を考えたら、全商品を購入することはまずありえません。

何にどのくらい注意を向けるかということは、普段はあまり意識しないでしょう。
しかし、緊急の場合には違います。
最短で最適な判断をくださなくてはなりません。
自分を疑ったり結果を心配したりして、不安がることに頭を使うヒマはないのです。
たとえば、月曜日の所持金が2000円だったとします。
そのまま金曜まですごすとしたら、おそらく何を買うにも1円単位まで計算するはずです。

緊迫した状況では、神経質になりがちです。
冷静な判断ができなくなり、リラックスできず、演奏にも悪い影響がでてしまいます。
不安や緊張をなくし、100%の力を発揮するためには、注意力をコントロールすることが必要となります。
目の前の課題に集中し、自信や安定につながることにだけに注意を向けるのです。

機内カタログの例でいえば、不要な商品にはかまわずに、買いたい商品だけに目を通すことです。


集中力を試す1分間テスト


集中の持続力を知るための、有名なテストがあります。

目を閉じてください。
そして、1分間、何があっても「紫の牛」のことを考えないようにしてください。

準備ができたらはじめましょう。
ここをクリックして、音量を上げてからタイマーをスタートさせてください。


どうですか?
何秒もちましたか?

1分間、紫の牛を考えずにいられる人は、おそらくいません。
しかし、これがたとえば、先週のデート、昨日のランチのピザ、今日はいている新品の靴のことを考えていたら、どうでしょう?
そのことだけで、すぐに1分たってしまうはずです。

つまり、紫の牛と格闘するのではなく、他の対象に注意力をシフトさせればいいのです。


心の訓練


注意力のコントロールは鍛えることが可能です。
心肺活動の訓練によって心臓の筋肉が強化されることと同じ仕組みです。
そのための練習方法はいくらでもありますが、私がすすめるのは "デジタル・クロック法” です。


デジタル・クロック法

・目を閉じて、完全な闇の中にいると想像してください。
・深く、腹から息を吸います。思考の流れをおだやかにし、心をおちつかせます。
・デジタル時計の赤い文字が “24” の数字で点滅しているのを思い浮かべてください。
・そこから、23、22、21、と数字が変わっていくのを想像しながら、ゼロまでカウントします。
・何か他の考えやイメージが頭をよぎったら、数えるのをやめて、24からやり直します。

24から0まで集中して数えられるようになるには、時間がかかるでしょう。
すぐに成功しなくても落ちこまないでください。
数日、数週間、あるいは数ヶ月かかっても、いいのです。

単純ですが、むずかしいですよ!


The one-sentence summary

心というものは、しっかり手なずければ最強の味方になるが、扱い方を間違えると最大の敵にもなり得る。〜Bhagavad Gita(ヒンドゥー教の聖典)


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