2014年8月12日火曜日

I Believe To My Soul / Various Artists

 「 I Believe To My Soul」というCD があります。
 2005年に録音された、ソウルのオムニバス・アルバムです。 
Ann Peebles、Billy Preston、Allen Toussaintといった黒人のベテランシンガーが数曲ずつ歌っていて、バックの演奏は若手の白人ミュージシャンです。プロデューサーの Joe Henryも白人です。

Joe Henryがライナーノーツに文章を寄せてます。
手元にないので不確かですが、自分の聴いてきた音楽、古き良きソウル・ミュージックを、今に甦らせたい、といった思いが語られていたと思います。
その思いに忠実な、音楽への愛情に溢れた名盤です。

演奏の隅から隅まで最高です。
歌のバックの、ベースのちょっとしたニュアンスやドラムのタイミング、ギターのリフまで、全てがボーカルと一体となって歌っています。
そんなの当り前じゃんって思う人もいるでしょう。
これは、違うんです。
バンド形態でこんなにも自己主張なく純粋に音楽的な録音を、僕は他になかなか思いつきません。
音楽を愛する人には、届くはずです。聴いてみてください。

アルバムの中でも特に好きな曲が、Mavis Staples の歌う Keep On Pushing 。
1960年代、黒人が権利を求めて闘っていた頃、ボブ・ディランとかの出てきた時代の曲です。作者は Curtis Mayfield、黒人です。日本のバンド Superfly の名前の元になった人ですね。
困難があってもまだ立ち止まるわけにはいかない、進み続けなくてはならない、という歌です。

僕はこの曲を、サン・フランシスコで語学学校に通っている時、毎日のように聴いてました。
まあ、その時は孤独に勉強とかしてたわけで、しんどかったり、だらける時もありました。そういう時に自分を再生させてくれたのがこの曲でした。
Mavis Staplesのボーカルがとにかく素晴らしい。
バンドの演奏も感動的です。このバンドに参加できたら、録音の場に居れたら、と何度思ったことか。
今でも、色々と思う時にはこの曲を聴きます。
あーこうして思い出すだけでも心が動いてきてしまう。

僕は、音楽への愛が感じられる音楽が好きなんです。
音楽よりも自己主張のほうが全面に出たような、俺が俺が~という音楽は、どうしても好きになれません。
僕の音楽活動の原点にはリスナーとしての感動があって、心を動かされた音楽への敬意がいつもあります。その部分だけは今までブレずにやってきたし、これからも、大事にしていきたいと思っています。
 I Believe To My Soul。
ブログを始めるにあたって、タイトルはこれしかないと思いました。

ちなみに普通だと、believe の後には in が続きます。留学中にこのアルバム・タイトルついて語学学校の先生に質問してみたら、to は間違いだ、とあっさり言われてしまいました。
でも、レイ・チャールズの曲でも believe to とあるし、黒人のスラング的な言い回しなのかもしれません。
その後も何人かのアメリカ人に聞いたところ、to を使うと、より強い意思を感じさせるニュアンスになるそうです。
とっても、いいフレーズだと思います。

Joe Henry は他にもソロモン・バークやベティ・ラベット、アラン・トゥーサン等のアルバムをプロデュースしていて、どれも素晴らしい出来です。コステロとトゥーサンの共演盤も彼の仕事ですね。 
Joe Henry 周りのミュージシャンがまた全員いいんですよ。若いのに。嫉妬します。
ちなみに、彼はプロデュース業で有名になる前からソロ活動もしてますが、僕はそっちはあまりピンと来ませんでした。

「 I Believe To My Soul」はスターバックスが出してます。 Rhino も絡んでいて、どういう関係なのかは知りませんが。
アメリカのスタバはCDも売ってて、そのセレクションがまた渋いんです。確か、 70年代シンガー・ソング・ライター物の再発みたいなこともやってたように思います。カルチャーを支える・発信する、という意識が強くて、お洒落とか気取ったような感じはありません。
日本に居た頃は、スタバに対してあまり良い印象は持ってなかったんですが、アメリカに行ってイメージが変わりましたね。
実際、帰国後もスタバに行くようになりました。日本の店員のマニュアル的な笑顔は、どうしても苦手ですが。
と、余計なひと言だったかな。
他人の事は気にせず、自分を信じて。
Believe to my soul。
心がけます。

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