2014年8月19日火曜日

ダブル・リップ・アンブシャー

僕はここ数年、ダブル・リップ・アンブシャーで吹いています。
ダブル・リップは、理想的なアンブシャーと言われているにも関わらず、あまり知られていません。
僕もダブル・リップを始めた当初は、あまりに情報がなく、手さぐりで苦労しました。
ですので、この場で少しづつダブル・リップについて書いていきたいと思います。
誰かの参考になれば嬉しいです。


今回は、ダブル・リップはどんなアンブシャーなのか、ということを書いてみます。

一般的なアンブシャーは、下唇だけ使うので、シングル・リップと呼ばれます。
それに対してダブル・リップは、文字どおり、上下2つの唇を使います。
下の唇に加えて、上の唇も歯の内側に巻きつけるのです。
歯はマウスピースには一切触れません。

音楽面での効果としては、
・音が柔らかくなる(金属的な感じがなくなる)
・タンギングがスムーズになる
・高音が出やすくなる
・音のつながりが向上し、跳躍等が容易になる
といったことが挙げられます。

さらに、ダブル・リップを採用することにより、
・口周りの筋肉を全方向バランス良く使えるようになる
(そのため、悪癖のついてしまったアンブシャーの矯正にもダブル・リップを使うそうです)
・全身リラックスして無理のないフォームで演奏できるようになる
というメリットもあります。


シングル・リップでは、アンブシャーにかかる力を上の歯が受け止めてくれるので、ある程度の力が入っても演奏可能です。
そのため、高音を吹く時等つい口を締め過ぎてしまい、下唇の裏側が痛んだり、マウスピースに歯型がついてしまうこともあります。
内側(マウスピース側)に向けて強い圧力がかかることで、リードの振動が妨げられますし、喉の周辺にも力が入ってしまいます。

ダブル・リップの場合、アンブシャーに力がかかると、唇が歯に押しつけられて痛むので、口を締めて圧力をかけることができません。
必然的に、口の筋肉は一定の力で外向きに引っ張られることになり、リードの振動が自由になります。
さらに、口の圧力に頼らないということは、喉の位置や息の使い方、共鳴ポイントの選択によって音をコントロールするしかありません。
結果として、自然とそういった細部にも意識が届くようになります。

さらに、力を入れずに演奏することで、音の繋がりがスムーズになり、タンギングもコントロールし易くなります。
試しに、上唇を歯に巻いて跳躍パターンを吹いてみると、違いが感じられると思います。
唇に圧力を感じない状態で吹けると、スムーズに音がつながってくれるはずです。

加えて、脱力にもつながります。
ダブル・リップでは、体のどこかに力が入るとそれがダイレクトに唇に伝わります。
歯が当たって唇が痛んだり、口の中で楽器がずれたりするのです。
ですので、自然と指の動きも小さくなり、リラックスした状態で演奏するようになります。
例えステージで緊張したとしても、ダブル・リップであれば体に力を入れることはできないので、緊張によるミスも減るでしょう。

音色については、ダブル・リップの方が、柔らかな「木」のような音になります。
これはおそらく、歯がマウスピースに触れないので、振動を妨げる要素が減るからではないかと思います。
さらに歯のことで言えば、歯を伝って直接頭に響く振動がないので、自分の音が客観的に聞こえます。
これは、実際にちょっと試してみればわかると思います


デメリットがあるとすれば、上の歯に押し当てた、ガツンという力の入った音は出せません。
もし、そういう響きのない直線的な音をあえて使いたい場合は、一瞬だけシングル・リップを使えばいいことです。
瞬時に切り替えられますので。


ダブル・リップは、慣れるまでかなり時間がかかります。
最初のうちは、少し吹いただけでも上唇が痛くなるでしょう。
それでも、やってみる価値はあります。
自分の口周りにどれだけ力が入っているかのチェックにもなるので、ぜひ試してみて下さい。

ダブル・リップを採用するプレイヤーが増え、お互いに情報交換できれば、と願っています。


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