2016年8月4日木曜日

音楽を続けることは、なんて難しいんだろう

音楽をずっと続けることって、簡単じゃない。
10代、20代、30、40、50代と、歳をとるにつれて、みんな音楽から離れていきます。

ハタチの頃から尊敬していた、大好きな年上のミュージシャンがいます。
プレイも最高にグルーヴィーで、人間としてもロックでパンクでファンキー。
一緒に演奏できることが、すごく幸せでした。

でも、彼は変わってしまった。
30代後半から、急に社会の目を気にし始めて。
それまでかなりヤクザな生活をしてたのが、毎日朝から働きだして、そのうち役職についた。
そして、いかに自分が偉いか稼いでるか、ということばっかり言うようになってしまった。
いつからか、目は泳いで、うわべの発言しかしなくなってしまった。
肩書きなんかに惑わされない、もっと心の本質みたいなことに正直に生きてきた人だったのに。

もどかしいのは、たぶん、彼の根っこは変わってないんですよ。
本当は、いくら稼いでるか、なんて下らないって分かってる。
なのに、そこだけに心の拠り所を求めてしまう。
自分に自信が持てなくなったんでしょう。
とても残念です。


やっぱり僕が若い頃、すごくリスペクトしていたミュージシャンがいました。
バンドのフロントマン。
ソングライターとして国内最高の一人だと、いまだに思ってます。
バンドは、いい線いったけどブレイクには至らなかった。
バンドをやめ、落ち込んで、音楽活動は断続的になっていきました。
それでも常に、聞くたびに打ちのめされるように素晴らしい音楽をやっていた。
が、いまでは表立って音楽活動をすることは、ついになくなってしまいました。


彼らは、僕のヒーローでした。
成長した今の目線からしても、素晴らしいミュージシャンだと思う。
それが、いろんなことが上手くいかずに失速していくのを見るのは、悲しい。
時には、苛立ちや怒りのような感情すら湧いてきます。
もどかしい。


りぶさんの活動休止も、ショックでした。
バンドは、個人の場合とは違ってまた複雑だろうけど、やっぱり「続けること」について、考えずにいられませんでした。


一昨日、飲んでた席で、音楽でどうなりたいのか、どこに行きたいのか、と聞かれました。
僕はそういう感覚が希薄です。
目標、というのがあるとすれば、音楽を続けること。
具体的なゴールみたいなものを考えたことは、そもそも最初からありませんでした。
僕の心を動かした素晴らしいミュージシャンたちの近くにいきたい。
彼らのステータスは、関係ないんです。
音楽をやっていれば、続けていれば、同じ景色が見えるかもしれない、つながれるかもしれない、それはきっと最高に楽しいに違いない。
それが、僕が音楽をやっているモチベーションです。

だから、憧れてたミュージシャンが変わっていくのを見るのは、悲しい。
できれば見たくない。
そして、自分は、彼らの年齢を超えても続けていきたいと思う。


大好きな映画、ニール・ジョーダンの「モナ・リザ」のワンシーン。
落ちぶれた中年ギャング(ボブ・ホプキンスがいい!)に、かつての仲間が言います。
「アンタは俺(たち?)のヒーローだったのに」。
寂しさと愛情が混じった口調で。
そう言う気持ちが、わかるような気がします。

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