N.O.生活(渡米前)1- なれそめ

まず、どうしてニューオリンズに留学したのか、というところから書き始めたいと思います。


20代前半くらいから、いつか海外に行きたいな、と思っていました。
日本的な、自分を殺す文化が苦手で、外国のほうが楽しそうだなと思ってたんです。

そもそも、僕は欧米カルチャーの中で育ってきました。
洋画を見て洋楽を聞いてましたし、食べ物も洋食が好きです。
文化としてはヨーロッパに憧れますが、音楽的にはアメリカ志向なので、行くならアメリカだろう、と、ずっと漠然と思っていました。

僕は音楽を掘り下げて聞くタイプです。で、アメリカ音楽を辿っていくと、ニューオリンズというキイワードは外せません。
やっぱり、リズムがね、メチャクチャかっこいい!
楽器がクラリネットということもあります。
世界中でたぶん最もクラリネットの需要のある町ですから。

ニューオリンズ音楽が大好きになって、日本で手に入る音源は、可能な限り聞きました。
ゴッドショークから、ロイヤル・フィンガー・ボウルやエッグ・ヨーク・ジュビリーといった現役の若手バンドまで。
現地からCDも取り寄せました。
ザディコやスワンプ・ポップも聞きました。
ロックでニューオリンズの要素の入ったものも多いし、とにかく「ニューオリンズ」というキイワードの入ったものは手当たり次第聞きました。

現地にも2回旅行に行って、あーこの町に来たい!っていう思いがどんどん強まります。

で、その頃たまたまお金持ってたんですよ。
ひと山当てて1000万円くらいありました。
いろんな儲け話を持ってくる人もいましたが、僕はアメリカに行くことに決めました。

ところが、ちょうどその頃、カトリーナがニューオリンズを襲いました。
大型ハリケーン。
町は水に沈んで、住人は避難。
水が引いた後も、家や建物は壊れていて、なかなか町に人が戻って来れない状態です。

ショックでした。
ニューオリンズ行きは、なくなったと思いました。

アメリカに行くことは決めていたので、他の町にしようと思いました。
どこかな。
音楽のある町。
ニューヨークは好きだけど、物価が高いからしんどいかも。

どの街にせよ、行ってみないとわからない。
さて、どうしよう。

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