2015年3月5日木曜日

Bulletproof Musician: テクニックは必要ない - "Functional" テクニック

Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。
ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。
音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。



Raw Technique vs. Functional Technique
http://www.bulletproofmusician.com/raw-technique-vs-functional-technique/


functional(実践的) strength training と呼ばれるトレーニング法が注目されています。
ジムでのトレーニング内容を、日常生活に直結させようというものです。

例えば、100キロのベンチプレスは、確かにすごい。
でも、毎日の生活の中で重い鉄のかたまりを持ち上げる機会は、そうはないでしょう。
functional strength trainingでは、特定の筋肉だけを鍛えることはしません。
スクワットなど、複数の筋肉が連動した運動を行うことで、
日常生活に生かせる体づくりを目指します。
それによって、ソファの深い位置から体を起こしたり、引越しのダンボールを持ち上げたり、重い荷物を本棚の上に乗せたり、といった動作が楽に行えるようになるのです。

これを音楽に置き換えて考えてみます。

以前、レオン・フィッシャー氏主催の室内楽サマーキャンプに参加した時のことです。
テクニックについての議論があり、様々な意見が交わされました。
フィッシャー氏の意見は、伝えたい内容を表現できるだけのテクニックがあれば十分であり、それ以上は必要ない、というものでした。

彼の意見は、functional strength training に相当するものだと言えます。

"functional (実践的)" テクニックと呼んでもいいでしょう。

実際、超絶技巧の演奏を聞いても、それだけでは心は動きません。
表現力が伴っていなければ、感動することはないのです。
細かいニュアンスやタイム感、フレージング、自然な表情づけなど、様々な要素が合わさって、初めて、聞き手の感情を揺さぶるのです。

もちろん、テクニックの向上に取り組むことも大事です。
苦手なフレーズがあれば、その技術的な問題にフォーカスし、改善する必要があります。
しかし、それだけでは、より音楽的な演奏を目指すときに行き詰ってしまうでしょう。


では、"functional" テクニックを鍛えるにはどうすればいいでしょうか?

目的に沿ったテクニック

数年前、イツァーク・パールマンのマスター・クラスを見学した際、面白いレッスンがありました。
生徒に自由に演奏させた後で、同じ曲をもう一度繰り返させます。
その際、今度は特定の感情を込めて演奏するよう指示するのです。
それも、どう演奏するか自分で考えるのではなく、周りの生徒に決めさせます。
例えば、皮肉・苦しみ・幸せ、といったキーワードを出し、曲を通して表現させるのです。
(この時は挑戦的な生徒が多く、曲の本来のムードとかけ離れた面白いリクエストがありました。)



Take action

まず、得意な曲をピックアップしてください。
短いものでもかまいません。
そして、緊張、ユーモア、
悲しみ、等々、思いつくだけの様々な表情をつけて演奏してみます。

慣れた曲であっても、音楽以外の要素が加わることよって、テクニック面とは別の発見があるはずです。
その結果、表現がより豊かになり、説得力が増してくるでしょう。

聞き手の感情を強く揺さぶり満足させるのは、こうした演奏なのです。


やってみると、楽しいものです。
夢中になるうちに、
テクニックが気にならなくなりますよ!

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