Bulletproof Musician: トップ・プレイヤーの練習法
Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。
8 Things Top Practicers Do Differently
http://www.bulletproofmusician.com/8-things-top-practicers-do-differently/
ある晩、子供達がテコンドーの"型"を練習している時です。
「TVゲームに戻る前に "型" を5回くり返すように」と、思わず声をかけました。
もちろん、親心からです。
もちろん、親心からです。
回数に意味がないことはわかっています。
毎回きちんとフォームを意識することが重要なのですから。
しかし、親としては、回数を決めることでどこか安心できるのです。
反復すれば上達するということではなく、私は、これはしつけの一つと考えます。
将来に役立つ規律が身に付くのでは、と。
将来に役立つ規律が身に付くのでは、と。
テクニックをみがくためには、一定量の反復練習が必要なことは間違いありません。
しかし、つきつめれば "量より質" だということも、また真実です。
では、"量より質"とはどういうことでしょうか?
具体的には何をすればいいのでしょう?
ショスタコーヴィチを練習する
テキサス大学のRobert Duke率いる研究チームが、ピアニストの練習方法を調べました。
音楽教育学部でピアノを専攻する学生17人を集め、ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲1番から抜粋した、3小節の課題を弾かせます。
課題は、見てすぐでは困難ですが、少し練習すれば弾けるレベルのものです。
実験
学生たちは、2分間ウォームアップを行った後で、課題の譜面と、メトロノームと筆記用具を与えられます。
時間制限はありません。
好きなだけ練習して、十分だと思えばいつ切り上げてもかまいません。
その結果、各自の練習時間は、8分半から57分までバラバラでした。
そして、そこから翌日のテストまでの間は、課題のことは一切考えずに過ごします。
24時間後
翌日は、2分間のウォームアップの後、課題を15回、止まらずにくり返し演奏します(もちろん、最初に戻るたびに一呼吸おきますが)。
演奏は、2段階の基準で評価されます。
最初にみるのは音とリズムの正確さです。
次に、音色や表現力、個性なども評価対象に加えられます。
結果は興味深いものでした:
- 練習時間は結果に反映されませんでした。
- 反復練習の回数は結果に反映されませんでした。
- 練習時に正確に弾けた回数は結果に反映されませんでした。
結果に反映されたのは :
- 練習時に間違えた回数です。間違えて演奏した回数が多いほど、スコアは低い傾向にありました。
- 正確に弾けた回数の割合も、結果に影響しました。正しく演奏した割合が多いほど、高スコアになる傾向が見られたのです。
8つの特徴
なかでも3人のピアニストが飛び抜けていました。
彼らの演奏は、音色もリズムも安定し、表情も豊かで (強弱もリズムの抑揚もしっかりコントロールされています)、ぎこちなさはありませんでした。
研究チームは、練習風景を録画したビデオを見なおし、3人と他のピアニストとを分ける8つの特徴を発見しました。
- 最初は両手で練習する。
- 初めの段階から表情をつけて練習する。どう弾きたいか、ということが最優先されます。
- 考えながら練習をする。譜面を見ながら黙り込んだり、ハミングしたり、書き込みをしたり、「よし」 「ああ」とうなずいたりする様子が見られました。
- 問題の箇所にそなえて、その手前で一呼吸おく。
- ミスが起こった場合は、後回しにせず即座に対処する。
- ミスをした箇所を正確に特定し、修正されるまで練習する。
- 弾くスピードを段階的に変える。たとえば、難しい箇所に関しては、ゆっくりはじめて少しづつスピードを上げていく、というように。
- 問題のある箇所は、それが修正され安定するまでくり返し練習し、さらに前後の流れの中で弾いてみて確認する。
3つの重要項目
上記の8つのうち、3人全員に共通する項目が3点ありました。
しかもその3点は、他のピアニストにはほとんど見られなかったものです。
3人以外では、4位と6位の2人がランダムにおこなっていたのみでした。
6. ミスをした箇所を正確に特定し、修正されるまで練習する。
7. フレーズを弾くスピードを、段階的に変える。たとえば、難しい箇所に関しては、ゆっくり始めて慎重に少しづつスピードを上げていく、というように。
8. 問題のある箇所は、それが修正され安定するまでくり返しし練習し、さらに前後の流れの中で弾いてみて確認する。
ここから何がわかるでしょうか?
分析によれば、3人に最も特徴的なのは、ミスへの対処の仕方です。
彼らは、他のピアニストと比べて最初からミスが少なかったわけではありません。
彼らも最初はミスをしていました。
彼らも最初はミスをしていました。
しかし、上記のやりかたで修正し、同じミスのくり返しを減らして全体の演奏レベルを向上させたのです。
最重要項目
トップ・ピアニストたちは、片手づつ練習したり、難しい部分だけ抜き出したり、さまざまな練習方法をもちいます。
なかでも、もっとも効果的と思われる方法は、
”スピードを落とす”
ことです。
トップ・ピアニストたちは、ミスをした場合、その箇所を弾きなおします。
トップ・ピアニストたちは、ミスをした場合、その箇所を弾きなおします。
しかし、今度はただ弾くのではなく、問題部分のテンポを遅くするか、直前で間を取ります - 演奏を中断するわけではありません。
テンポを落として難しいパートを正確に演奏することで、体に正しい動きを覚えこませるのです。
間違いをくり返していては、問題を正確に見極め、根本的なテクニックの改善を行うことはできません。
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