バンド名に思う

「Golden Wax Orchestra」という名前で活動しています。
サザン・ソウルの伝説的レーベル、Gold Waxから名前を取りました。
マイナーレーベルなのであまり気づかれませんが、一応ね、適当に名付けた訳じゃないんですよ。
そう、ネーミングには、多かれ少なかれ、意味があるものだと思います。


こないだ渋谷から代々木公園に行こうとしてNHKホールの脇を通ると、人がたくさん並んでる。
誰のコンサートかと見ると、ファンキー加藤と書いてある。

あまりよく知らない人です。
元ファンキー・モンキー・ベイビーズ。
ソロ活動を始めたときに、どこかで流れてるのを聞いたことがあります。
まあ普通でした。
ファンキー・モンキー・ベイビーズも、耳にしたことあるけど興味なかったし。
僕の好きになる要素はゼロ。

音楽としてはどうでもいいんですが、ファンキー加藤という名前が気になります。
だってファンキーじゃないから。
彼がファンキーな音楽を好きなようにも感じられない。
バンド名からつけたのでしょうか。
ファンキーといっても、音楽のファンキーとは意味が違うのかもしれない。
ファンキーな飲み屋、ファンキーなおっさん、とか言うし。

そもそもファンキー加藤のファンは、僕の周りの音楽好きとは全く違う人種でしょう。
ファンキーと言われても、そこから特定のサウンドを想像することもないのかもしれません。
音楽と関係ない、例えばテレビタレントがファンキー〇〇って名乗るんなら、たぶん気にならない。
でも、彼は音楽活動がメインなんだろうから、そうすると、僕みたいに違和感を持つ人もいると思うんですよね。
仮にですよ、最初は軽い気持ちで名乗ったんだとしても、いまさら名前を変えるのはだいぶ面倒でしょう。
彼は、今後どんな音楽をやるとしても、ずっと「ファンキー」の看板を背負っていくわけです。


名前に特定のサウンドと結びついた単語を入れると、ずっとそこから離れられないわけで。
例えば、東京スカパラダイスオーケストラ。
名前に「スカ」って入れちゃってますからね。
スカから離れたら、さすがにどうなのよ、って思われてしまう。
実際もうスカパラなんてスカに留まらない活動をしてるし、ファンの中には、単純に管楽器がたくさんいるバンド、って認識の人もいるんじゃないでしょうかね。
僕はスカパラを聞いてないので、今どのくらいスカを演奏してるのか知りませんが、それでも全くゼロってことはないでしょう。
なんたってスカパラダイスなんだから。

そういえば、スカ系のバンドは、名前に「スカ」って入れてるケースが多いですね。
そのくらい、スカのシーンが確立してるということなんでしょうか。
僕の場合、スカもポピュラー音楽のひとつとして聞いてしまっているんですが、違うんですかね。
まあ、いいか。

〜ジャズ・バンド、〜ブルース・バンドとかもありますね。
そこまで直球じゃない場合もあります。
例えば、〜ストンパーズってあれば、昔の1920年代あたりのジャズをやるバンドだなって分かります。
どちらにせよ、名前に何かキイワードを入れるのは、こういう音楽をやります!っていう宣言であることが多いと思います。
ファンキー加藤はレアケースでしょう。


で、自分の場合。
Golden Wax Orchestra を名乗ることはもちろん、マニフェストです。
サザン・ソウルをやる、というか、やってみせる!という、自分にハッパをかける意味が大きいです。
こんな名前を名乗ってしまったら、後には退けないですからね。
いい加減なことは、できない。
あとは、ブレないようにしたい、ということもあります。
続けていれば、サウンドは変わっていきます。
新たにやりたいことも出てきます。
それでも、初心を忘れずにいたいな、という思い。

今のところ、やれています。
でももし、「〜ズ」とか、意味づけの薄い名前にしていたら、また違うサウンドになっていたかもしれません。
実は一度、「フニクリフニクラ」を演奏してことだってあるんです。
ブレイブ・コンボとか大好きだし、もっと雑多な音楽性になってた可能性は大いにあり得ます。

名乗ってしまったことで、道が決まったということ。
今ではソウル・クラリネット奏者としての自負だってあります。
名前が僕の演奏を形作ったわけです。
バンド名、大事だと思います。


そんなGWO、今週土曜にライブやります!
初の東横線。
いい感じのお店で、ゆったり聞けますよ。
たっぷり2ステージやりますので、是非!

7/11(土)
都立大学 Parade
出演:Golden Wax Orchestra
20:00 Start
テーブルチャージ ¥300

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