2015年4月4日土曜日

Glim Spanky はジャニス・ジョプリンへの冒涜だ

Glim Spankyという日本の若手バンドが「ジャニス・ジョプリンの再来」だというのでYoutubeで聞いてみたら、再来どころか冒涜にしか思えなかったので、その気持ちをまとめるために書きます。


声質は一聴、似てます。
でも、それだけ。
ジャニスに声質が似てる人なんて、世界中探せばいくらでも見つかります。
中央線あたりに行けば、どの駅にも数人は「ジャニスみたい」って`言われてる女の子がいて、ジャニスみたいな格好して歩いてる。
それでも今まで「再来」なんて言われる人が出てこないのは、ジャニスがすごいのは声質じゃないから。
ジャニスが圧倒的にすごいのは、内面を表現する力。
残念ながら、Glim Spanky は、そこまでの表現力は持ち合わせていない。

一聴、いいんですよ。
アレンジや曲調も、70年年代のブルースロックを意識してて、なかなか趣味がいい。
そういう骨のあるバンドが売れたら嬉しいから、僕も期待して聞いたんです。
でも、聞きはじめて数秒で、落胆しました。
僕の嫌いな、音楽に敬意も感謝もない、ただの商品じゃないか。
「ジャニスの再来」なんて言われて少しは期待しただけに、裏切られた時の落差がつらい。

驚いたのは、ジャニスの"Move Over"を、コピーしてるんです。
そうです、これはカバーじゃなくて、コピー。
あんまり酷いからすぐ聞くのやめたので、後半から全然違うアレンジになってるのかもしれませんが、途中までは完コピです。
あ、でも音自体はかっこいいですよ。
というのは、今の耳にかっこいいとされている音づくりになっているので。
イントロの、例のスネア。
そのスネアの音を聞けばわかります。
これがお金をかけて売れるように周到に録音されたものだということが。
逆に、お金をかければ誰でも手に入れられる音だということが。


「ジャニス」というキイワードは、売る側がつけたものでしょう。
僕は時流に疎いのでわかりませんが、60~70年代カルチャーが流行ってるんでしょうか。
企画会議でもあって、「ジャニス」あるいは「ヒッピー」とかいうキイワードが出て、それにハマる女の子を探してたんでしょうか。
その中で、技量やルックス等の基準をある程度満たし、なおかつ従順な子を選んだんでしょうか。
そう、この「従順」という部分が、とても重要です。
言われたことに従ってくれないと。
だって売る側にとっては、これは商品であって、音楽ではないんだから。

こんなこと、音楽業界では当たり前のことです。
でも、僕はそこに「ジャニス」というキイワードが利用されるのが、やっぱりどうしても許せない気持ちになってしまう。
ジャニスを好きな人は同じ気持ちなんじゃないか。
だから、「ジャニス」の文字に引っかかって来た音楽ファンがGlim Spanky のことを好好きになるとは、思えない。
本当に、このキイワードは効果的なの?
ジャニスをちゃんと聞いたことない人にしか、アピールしないと思うけど?
まあ、そこは僕の知ったことではありません。


Glim Spanky が、素晴らしい歌を聞かせてくれたら、文句はありません。
あがた森魚や奇妙礼太郎くらいに感動させてくれるなら、あるいは木村充揮や田島貴男くらいにソウルを感じさせてくれるなら、いくら安っぽい流行のサウンドに乗ってMove Over 歌ったって構いません。
でも、とても残念ながら、そこまでの突き抜けた表現力は、感じられません。
ただ声質が似てるだけ。
他のオリジナル曲も聞いてみたんですよ。
できるだけ先入観なしにと思って意識して、目をつぶって集中して。
第一声で、違うな、って思いました。
それで終わりです。


彼女は、幸運なことに、ジャニスに涙する感性を持っていないんでしょう。
だから、ファッションのように「ジャニス」を装うことができて、自分でもそう思い込んで成りきることができるのでしょう。
そうでなければ、もし本当にジャニスの心を聞くことのできる感性を持っているのなら、絶対にこんなことはできない。

僕も、GWOのライブで"Cry Baby"を吹きます。
ガーネット・ミムズも好きですが、やっぱりジャニスのバージョンに感動します。
特に、映画"Festival Express"でのパフォーマンス。

こんな風に歌ってるんですよ?
自分でもやろうと思ったら、それはもう、半端な気持ちではできないですよ。
あんな風に、Glim Spankyみたいに覚悟のないままでは、歌えない。


そういえば、思い出しました。
昔、中山うりを手伝っていた頃。
うりちゃんのキャッチコピーの中に、「世界中のアコーディオン音楽をミックスして~」みたいな一節があって、いろんな音楽ジャンルが列挙されていました。
その中に「ザディコ」も入ってたんです。
ものすごーくむかつきました。
だって、ザディコの要素ないもん。
要素どころか興味もないということが、音の方向性から分かる。
ザディコを好きな人がそのコピーをみたら、どんな音楽か期待するわけです。
それで全く関係ない音楽だったら、裏切られた気分になりますよ。

そもそもザディコってジャンル、聞いてる人の人数なんて限られてるし、うりちゃんは明らかに全く別のマーケットに向けて売ろうとしてたわけだし、何で「ザディコ」って入れるんだろう、って怒りながら思いました。
あ、念のため言っておきますが、うりちゃん自身はそのコピーに関わってないので、何の責任もありません。
誰が考えたのか、まあ想像はつくけど、知りません。
今でも、あれは売り上げに効果があったのか、非常に疑問です。


本当に、いわゆる業界の人って、音楽を何だと思ってるんだろう。
音楽が好きだから音楽の仕事してるんじゃないのかな。
昔、感動したことを、忘れてしまったのか。
それとも、そもそも感動したことなんてないのかもしれない。
うんざりする。

あなたたちのせいで、もしかしたら罪のないGlim Spankyの若い二人のことを、僕は大嫌いになりましたよ。
あんな風に全身全霊で歌ったジャニス・ジョプリンに対して、失礼だと思わないんですか?
少しの敬意もないんですか?

13 件のコメント:

  1. ていうかなんでこんなエラそうなのコイツ

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  2. グリムスパンキー ジャニス 冒涜というキーワードで検索してまいりました。私も朝の番組でグリムスパンキーを見て全く同じ感想を持ちました。彼らの決め台詞はオリジナルを超えなきゃ意味が無いだとか、まあ言わされているのでしょうが、残した楽曲だけでなくその人生や死まで含めてレジェンドになってるジャニスをどう越えようというのか。このセリフを言わせた事はマーケティングとしては失敗でしょう。ほぼ反感しか買いません。ジャニスの劣化コピーであり、ラブサイケデリコの二番煎じ。そんなものに存在意義があるのでしょうか。

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    1. お返事遅れてすみません。地方にツアーに出ていまして、いまコメントを拝見いたしました。
      そうですか、そういう発言をしているのですか。残念です。
      「オリジナルを超えなきゃ意味がない」というセリフを言っている人間は、個人的には全く信用できません。超えるという発想が、比較でしかありませんから、比較をする時点で表現者としては失格だと思います。表現とはパーソナルなものであるべきですから。
      私やLeopon3さんと、グリムスパンキーのファンの方とでは、「音楽」という言葉の解釈が異なるのでしょう。
      悲しいことです。

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  3. ※「返信」で投稿したら黒バックで読みづらくなってしまったので、再投稿します。中身は同じです。

    お返事遅れてすみません。地方にツアーに出ていまして、いまコメントを拝見いたしました。
    そうですか、そういう発言をしているのですか。残念です。
    「オリジナルを超えなきゃ意味がない」というセリフを言っている人間は、個人的には全く信用できません。超えるという発想が、比較でしかありませんから、比較をする時点で表現者としては失格だと思います。表現とはパーソナルなものであるべきですから。
    私やLeopon3さんと、グリムスパンキーのファンの方とでは、「音楽」という言葉の解釈が異なるのでしょう。
    悲しいことです。

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  4. あなたの言い分だとジャニス・ジョプリンだって所詮黒人の音楽の物真似をしてるだけなんじゃないの?
    音楽って理屈じゃなくフィーリングで聴くものじゃないの? そういうつまらない発想、狭い器量の持ち主が奏でるアコーディオンもさぞかしつまらない音しか出せないんでしょうね。

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  5. どうこう言っても結果こそが全て、レコード会社のいいなりになってでも自分ら本来のやりたいこととは違ったジャニスをやらされた彼らは更なる第一線で戦い自分らのやりたい表現と場所を手にしていますが、それを僻んでいるどこにでもいるようなアマチュアミュージシャンは今も売れないままですね。

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  6. 私はジャニスも中山うりちゃんも大好きです。

    あなたの演奏動画拝見しました。
    おもしろかったですよ。

    でも、他人の批判をするほどの表現力は感じられませんでした。

    あなたが書いたようなことを、ニューオリンズの
    誰かがあなたに対して同じように思ってるのではないでしょうか。

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  7. 3/4の匿名の方へ
    僕は反対に、批判や反対意見を表明するべきだ、という考えです。万人に賛同されることはありえないと思うので。自分に対しての批判も歓迎します。もし僕の演奏がニューオリンズではない、といいう意見があれば、その論拠を聞いて今後に生かしたい、と思います。
    ただ残念ながら、特にネットでは意見ではなく誹謗中傷が多いと思うし、他のコメントに返信しないのはそういう理由からです。

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  8. よくこんなクソみたいな文章長々書けるなw

    ジャニス・ジョプリンの何を知ってるんでしょうかw

    高慢音楽家さんはさぞ素晴らしい音を奏でておられるんでしょねw

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    1. どうも。
      「ジャニスジョプリンみたいな」で検索して来ました。
      私もブログ主さんに賛成で、glimspankyの曲聴いて第一印象は「巧いなー…」でした。
      でもglimspankyは好きで毎日聴いてます。
      Janis Joplinの歌詞は女性目線なのでもの足りず、ジャニスのファンでない吉田拓郎好きのオジサンには心に刺さります。(まあそのように書いてるのでしょうが)
      日本語で分かりやすいですしね。
      多分、上のブログ主さんともうひと方のやり取りは、吉永小百合の再来といううた謳い文句に目くじら立てるサユリストと、現代アイドルオタクの水掛け論ではないのでしょうか?
      と偉そうに言うと、両方から文句が来そう…

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  9. ついでに、
    グリムスパンキーって「あの頃」音楽じゃないですか、それが今の若者にうけてるってのは、今があの頃とシンクロしてるしてるのでしょうか?
    貧困に戦争の予感、日本で反戦ムーブメントは起きるのでしょうか?それともファッションでしょうか。

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  10. たしかに、水掛け論です。
    このブログ書いてから2年以上経ちますが、もう「ジャニスの再来」のキャッチコピーはなくなりましたね。きっと、そこまで集客効果がなかった、ということなんでしょう。
    いま彼らがどんな音楽をやってるのか、機会があれば聴いてみたいです。

    「あの頃」音楽、ということについては、個人的にはただにファッションに過ぎないと思います。


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  11. 駄文にご返答ありがとうございますm(__)m
    やはりファッションですか
    音楽が、というか若者が熱い時代はもう来ないのですね
    はぁ…

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