2014年9月29日月曜日

Bulletproof Musician 番外編 : 「ひらめき」の秘訣

今回はBulletproof Musicianのコンテンツではありません。
前回のエントリ(『練習中の雑念を吹き飛ばす方法』)の原文で紹介されていたもので、著者は別の人物です。

How to Have a Eureka Moment
※Eureka=ユリイカ、エウレカと読みます。アルキメデスが、アルキメデスの原理を思いついた際に叫んだとされる言葉で、「分かった!」「解けた!」といった意味です。ここでは、「ひらめき」と訳しました。


大昔、ギリシャには、9人の女神がいました。
そして、優れたひらめきは、そのうちの一人である霊感の女神が与えるものと信じられていたのです。

今では、女神を信じる人間はほとんどいなくなりました。
それでも、霊感が降りてくる話は依然として人気があります
ニュートンのリンゴや、アルキメデスのバスタブなど、人々は突然のひらめきを愛しているのです。
しかし、実際に創造性が求められる場面では、これらのストーリーが参考になることはまずありません。
散歩や熱いシャワーの方が、役に立つでしょう。
しかし、平日の慌ただしい町なかでシャワーを浴びることは、もちろん不可能です。

女神の存在は、いまだ証明されていません。
しかし「ひらめき」への道筋は、すでに発見されています。
少なくとも、そこに至るガイドとしては、間違いなく有効な方法があるのです。

「ひらめき」の瞬間は、まさに突然訪れます。
その時は、何も考えていない場合が多いでしょう。
心理学では潜伏期と言い、問題からやや距離を置いた状態を指します。

クリエイティブとされる人々の多くは、 仕事から離れて脳を休ませることを意識的に行っています。
潜伏期間を置く間に、無意識下でアイディアが形になることを知っているのです。

あえて複数のプロジェクトを並行して進める場合もあります。
一つのプロジェクトに集中している間に、もう一つのプロジェクトの形もまとまっていくからです。

潜伏期間の後に突然「ひらめき」がやって来ると、自分がニュートンやアルキメデスになったようにさえ感じることでしょう。

ソフィー・エルウッド率いる研究チームは、最近の実験によって、潜伏期間が実際に「ひらめき」を促進することを証明しました。
心理学専攻の大学生90人を3つのグループに分け、テストを受けさせます。
一枚の紙を目の前に置き、その使い道を思いつく限り列挙する、というものです。
出てきたアイディアの多さによって、考えの多様性を測ります。
多能性こそ創造力の核であり、「ひらめき」をもたらす重要な要素なのです。

Aグループは、4分間通してテストに取り組みます。
Bグループは、2分経った時点でストップし、そこまで書いたリストを見て、一語づつ同義語を考えるよう言われます(関連性のある課題)。
それから2分間、元のテストに戻ります。
Cグループは、2分で中断し、性格テストを与えられ(無関係の課題)、また2分間、テストに戻ります。

どのグループも、テストに使う時間は同じ4分間です。
このテストによって、潜伏期間をはさんだ効果を比較することができます。
さらに潜伏期間についても、課題を頭に残した場合と、一度リセットした場合との違いを見ることができるのです。

結果として、最も多くのアイディアを出したのは、無関係の課題を間に挟んだCグループで、平均9.8個でした。
次は、関連課題を挟んだBグループで、平均は7.6個。
4分間通して取り組んだAグループの平均が最も低く、6.9個でした。 
この実験により、数分であっても潜伏期間を設けることで、アイディアの生産性は飛躍的に向上することが実証されたのです。

この実験結果に説明をつけるとしたら、こういうことです。
我々の脳は、難しい問題に出会うと、アイディアの回路が詰まりやすくなり、思考が特定の通り道を何度も往復することになります。
同じ問題にずっと取り組んでいると、ひとつの考えから離れられなくなってしまうのです。
その場合、問題から一度距離を置き、別のことに集中してみます。
それによって、特定の考えへの執着を解消し、古い回路をリセットするのです。 
そうして再び問題に戻ったとき、脳は新しい可能性に対して開かれた状態になっています。
「ひらめき」がやってくるのは、こうした瞬間なのです。

この研究結果は、手帳を予定でぎっしり埋めているタイプの人々にこそ役立つものです。
先に挙げた実験で最も多くのアイディアを出したのは、無関係の課題をはさんだグループでした。
つまり、「ひらめき」を得たいのであれば、潜伏期間を効果的に使うべきなのです。
脳は休ませない方が良いので、休憩を取るのではなく何か他のことに集中するように、定期的に頭を切り替えることです。
別の仕事や、あるいはメールの返信や連絡先の整理などの雑務でもいいかもしれません。
問題から離れてアイディアの回路をリセットすることができれば、何でも構わないでしょう。
潜伏期間の後にこそ、「ひらめき」がやってくる可能性があるのです。

創造性が必要な仕事があるのなら、全てを終わらせず翌日に持ち越すべきです。
一晩の潜伏期間を置いて仕事に戻った時、思わず「ひらめいた!」と叫んでいるかもしれません。

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