2014年9月22日月曜日

Bulletproof Musician : 練習中の雑念を吹き飛ばす方法

Bulletproof Musician という英語のサイトの記事を、ランダムに翻訳するシリーズです。ミュージシャンのメンタル面に関する内容を扱っています。音楽をやっていない方でも、自己管理やマインドの問題に興味があるなら、是非ご一読下さい。

How to Get Those Distracting Thoughts Out of Your Head When You’re Trying to Practice

"あーあ、猫のトイレ片付けなきゃ・・・”
”パソコンの音楽ファイルをwifiでiPhoneに移せないかな・・・”
“まいったな・・・いい歯医者見つけないと。”

ふとした瞬間にやるべきことを思い出し、頭の中で言い聞かせることがあります。
しかし、そのタイミングは自分では予想がつきません。

前回(『気分が乗らない時の練習方法』)説明したように、「中断」にはモチベーションを上げる効果もあります。
しかし、多くの課題に集中して取り組む時には、どうしても妨げになってしまいます。

やるべきことが多い時、限られた練習時間を上手く使うにはどうすればいいでしょうか?

課題の蓄積

平均的な大学生は、常に10~20くらいの課題を抱えていると言われます。
論文から気になる異性のことまで、内容は様々です。

同時進行は不可能ですから、未解決の課題はすべて頭の隅に置いておくことになります。
もちろん、突然のひらめきによって全てが解決される可能性も、ゼロとは言い切れません。
しかし、そうした奇跡を待っているのでは、モチベーションも下がる一方でしょう。

人間の脳の容量には限界があり、ネコのトイレの始末や恋愛のことが頭にある間は、何かに完全に集中するのは不可能です。

それは、目覚まし時計のスヌーズ機能を1分間隔でセットするようなものです。
次のアラーム音が鳴る間ちっとも休めずに、苛立ちだけが蓄積されていくことになります。

こうした雑念を減らし、課題に集中するためには、どうしたらいいのでしょうか?


”Implementation intentions”

(※ Implementation intentionsは、日本語では「実行意図」といい、心理学用語と思われます。「目標意図」という単語もあり、それをさらに具体的にしたものが「実行意図」となるようです。カタい単語ですが、他に適切な訳語が見つかりませんでした。)

「実行意図」 は、課題を完遂させるためには非常に有効です。
 いつ、どこで、どうやって課題に取り組むかという具体的なプランを立てることで、雑念を払い問題にフォーカスすることができるのです。

フロリダ州立大学の研究チームは、「実行意図」意識して用いることで集中力が上がるはずだ、という過程を立て、実験を行いました。


実験

参加した大学生は73人で、3つのグループに分かれます。

Aグループは、数日中に済ませる予定の課題を2つ、ノートに書き出します。
具体的な方法が未定のものでないとなりません。

Bグループも、やはり課題を2つ書き出します。
ただ今度は、具体的にいつ、どこで、どうやって実行するのかまで計画します。

Cグループは、ここ数日でやり終えた課題を書き出します。

次に、E・S・ガードナー「ビロードの爪」(1933年に書かれた法廷ミステリー)の冒頭の部分をパソコンの画面で読みます。
その間、画面上には先ほどの課題に関する質問がランダムに表示され、答える度に読書は中断されます。
読み終えると、ストーリーに集中できたか、といった複数の項目について7段階で評価します。

そして最後に、小説の内容について8つの質問に答えます。


結果

集中の度合いの自己評価が低かったのはAグループで、平均値は7段階中4.61でした。
それに対してBグループのスコアは5.56でした。
違いを示すには十分な結果です。

Aグループは、画面に表示される質問によって注意が逸れがちで、その自己評価の平均は3.0でした。
Bグループの平均は1.77、Cグループは1.82でした。
統計上の差は明らかでしょう。

内容理解の質問では、Aグループの正解は8問中で平均6.13問、Bグループは6.94問、Cグループは6.93問でした。


まとめ

1、はっきりしているのは、頭の中で考えているだけでは上手くいかないということです。
必ず、具体的な計画(いつ、どこで、どうやって課題に取り組むのか)を立てなくてはなりません。

先程に続く実験があります。
80人の学生を2つのグループに分け、実行予定の計画をいくつか書き出させます。
そしてBグループには、その中から優先する1つを決めさせます。

後から、その計画に対する集中度合いを自己評価させると、Bグループの方がはるかに点数が高かったのです(Aグループ=2.14 、Bグループ=3.37)。


2、「実行意図」によって集中力(と実行力)を高めるためには、モチベーションが刺激される計画を立てる必要があります。
やる気になれない計画をいくつ並べても、意味がないのです。

別の実験の例をあげましょう。
97人の学生に、課題とその回答の手順を示します。
そして、1つのグループだけに、その手順に厳密に従うように指示します。
その結果、このグループの平均点は9.55で、全体平均6.55をかなり上回る高得点を出しました。

この結果から、計画は完遂にこそ意味があることが分かります。
どんな計画を立てても、それを実行しなければ、できるはずの課題もそのままになってしまうでしょう。


Take action 

やり残した課題は、突然に思いだされるものです。
その場合、いったん作業を中断して、その課題をいつ、どこで、どうやってやるのか、という具体的な計画をその場で立てて下さい。
もちろん、実行可能な計画を


参考:GTD(Getting Things Done)

さらに興味がある方には、GTD(Getting Things Done)という生産性を上げるためのメソッドをお勧めします。
理論はシンプルですが、実践方法はやや複雑なものとなっています。
GTD提唱者David Allenも言うように、人生は複雑であり、複雑な問題を解決するには、時には複雑な方法も必要なのです。

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