2014年9月23日火曜日

ニューオリンズ音楽の履歴書

少しづつニューオリンズのことを書き始めてみます。
まずは自分のリスニング遍歴から。


音楽に関しては、新旧洋邦問わず、とにかく手当たり次第に聞いていました。
そのうち、いわゆるルーツ・ミュージック寄りの音楽が好きになっていって。
いろいろ聞いている中で、自分が反応する「ツボ」みたいな要素があるわけです。
その要素というのが、実は「ニューオリンズ」だったと初めて気づいたのは、細野晴臣の3部作だったと思います。


点が繋がって線になる感覚でした。
そしてDr.ジョンの「ガンボ」を聴きました。


すごいリズム!
興奮しましたね。
これを聴いて、「ニューオリンズ」というキイワードが僕の中で明確になりました。

そして、Dr.ジョンからミーターズ、プロフェッサー・ロングヘア、そしてゴッドショークまで、ニューオリンズ音楽を辿って行きました。


もちろん現在のシーンのものも手に入る限り聴いたし、周辺の音楽、ザディコ、ケイジャン、スワンプ・ポップ、といったものにも、どんどん手を伸ばしました。

中村とうようの影響もあってか、(ミュージックマガジンと中村とうよう)音楽のルーツをさかのぼっていくのが好きだったんですよ。

Dr.ジョンの存在も大きかったです。
「ガンボ」の解説にあるオリジナル音源はもちろん聴いたし、ゴッドショークを知ったのも「Going Back To New Orleans」です。

並行して、洋楽の中でもニューオリンズの要素のあるものをどんどん聴くようになりました。

ザ・バンドやウッドストック(フェスティバルではないです。念のため)の音楽も大好きだったし、スワンプ・ロック周辺とか、アラン・トゥーサンがプロデュースしたものや、とにかくニューオリンズと少しでも関連したものは手当り次第に聴いてました。


その頃には、もうクラリネットを吹いていたと思います。
クラリネットの活躍する音楽は多くはありません。
まずはスイング・ジャズと、他に思いつくのは、クレズマーとギリシャ音楽とチンドンくらいでしょうか。
色々と聴いてはいましたが、音楽的に特定のジャンルにハマることはなかったんです。

ところがニューオリンズものは、音楽的にもツボな上に、クラリネットも使われている。
特にニューオリンズ・ジャズと呼ばれるジャンルでは、クラリネットは不可欠な楽器です。
「クラリネット=ニューオリンズ(・ジャズ)」というイメージは、一般的にもかなり浸透していると思います。

そして、早稲田大学にニューオリンズ・ジャズのサークルがあると聞いて、門を叩きます。
そこは「リバイバル」と呼ばれるスタイルを中心にした集まりでした。
僕は「ニューオリンズ・ジャズ」と呼んでいます。

これについては、以前のエントリで詳しく説明しました(『僕の考える「ニューオリンズ・ジャズ」』)。
ジャズといっても、いわゆる「ジャズ」っぽいオシャレな感じは皆無です。
泥臭く土着的で、ブルースにも似ている。
個人的には、民族音楽だと思ってます。
まあ普通では出会わないだろうディープな音楽だと言えるでしょう。


振り返ると、僕はニューオリンズ音楽をかなり多面的に聞いていたことになります。
ニューオリンズ音楽の歴史、ルーツ・ミュージックの一部としてのニューオリンズ、そしてニューオリンズ・ジャズ、という具合に。

これは珍しいことだと思います。

色んな人と話していると、ニューオリンズ音楽ファンでも、ロック、ブルース系の人は、ニューオリンズ・ジャズはあまり聴いてません。
そしてニューオリンズ・ジャズ界隈の人は、それ以外のニューオリンズ音楽を聴きません。
知識としてかじってはいても、両方を分け隔てなく並べて聴く人にはほとんど会ったことがない。
特に楽器をやっている人の場合、自分の楽器が入っていない音楽までどんどん手を伸ばすケースは、意外に少ないですからね。

僕が幸運だったのは、ニューオリンズというキイワードに出会う以前に、すでに雑多なポピュラー音楽を聴いていた下地があったことです。
そのおかげで、ニューオリンズ音楽を俯瞰して見ることができ、その特殊性への理解が深まりました。
どんな音楽でも、その特定のジャンルしか聴いていないようでは、本質は分からないと、僕は思うんです。


そうしてかなり深くニューオリンズ音楽を聞いた後で、実際に現地で暮らす機会を得ることができた。
ニューオリンズ音楽に関しては、本当に恵まれていたと思います。

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