JANISが閉店するなんて

Janis が閉店するそうです。
お茶の水にある、レンタルCDショップ。
廃盤で手に入らない貴重な作品や、インディーズものや独自に仕入れた輸入盤など、ここでしか聴けないものがたくさん置いてあって、普通のレンタルショップとは別次元の名店。お世話になった音楽ファンも多いはずです。

閉店のニュースを聞いたとき、思わず涙が出そうなほどに悲しい気持ちになりました。
20代前半の僕の音楽体験のかなりの部分を、この店が占めています。
JANISがなければ、きっとこんなに音楽を好きになっていないでしょう。楽器もやっていないかもしれません。
2年半ほど前のブログにも、JANIS愛を綴っています(御茶ノ水JANIS!!)。

実は、最近は通ってませんでした。
ブログを書いてから約一年後に、近くにですが、移転したんですよ。
残念ながら、規模も少し小さくなりました。移転前にあったはずのCDを探しても見つからなくて、店員に聞くと、もう置いてない、と言われるケースが重なって、足が遠のいてしまいました。

そして、閉店の知らせ。
こんなにも悲しいとは思いませんでした。
ここ数年、ミュージシャンがどんどん死にます。みんな高齢だから、しかたないことです。
その中には、大好きで聴きまくったミュージシャンもいるけれど、正直言って、ここまで悲しいことはありませんでした。
本当に悲しかったのは中村とうようくらいです。ミュージシャンじゃないけど(中村とうよう氏のこと)。

店にそんなに行ってなかったくせに、なくなってから悲しむなんて、身勝手なことです。
クールに見れば、JANISの場合、CDレンタルショップという業種自体が衰退していくなかで、閉店もしかたない。どこかで分かっていたことかもしれないのに、いまさら悲しいなんてウソくさい。
こんなことブログにまで書いて、カッコつけたいだけなんじゃないだろうか。自分のこの感情は、偽善なんじゃないか。

でも、悲しいものは悲しい。
この気持ちが、自分を美化するためのセンチメンタルな自己陶酔だとしても、それでもいいんです。

悲しみなんて、自分勝手なものです。



JANISで出会ったCDで思い出深いものはたくさんあります。
中でも、中村とうよう編集の「オーディブック」シリーズは特別です。
とうようさんの熱のこもった分厚い解説を読みながら音楽のルーツを紐解くのは、まるで講義でも受けているようで、他にはない音楽体験でした。



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