わかんないのが最高! 『ロスト・ハイウェイ』


デヴィッド・リンチ監督『ロスト・ハイウェイ』を見てきました。
早稲田松竹。
名画座、っていうんでしょうか、旧作を二本立てで上映する映画館です。
『ロスト・ハイウェイ』は大好きな映画で、いつか劇場で見たいと思ってて、ようやく見れた。

最高でした!
何が最高ってこの映画、ぜんぜん意味不明なんですよ。
ストーリーも何がどうなってるのか分からないし、人物関係も分からない。
いちおう筋書き的なものはあって、いわゆるアート映画っていうのじゃないんだけど、やっぱり意味わかんない。それなのに、すげー面白い。

わかりづらい映画って、あれはどういう意味だったんだろう?とか、けっきょくあの人はどうなったんだろう?とか謎解きみたいに、見終わってから気になってしまうこともあります。
でもこの映画については、何がどうなってるのかいっさい考える気にならない。
わかるとか、どうでもいい。
ただただ面白くて、意味不明でも満足してしまう。
そんな映画って、他にありません。

なんでなんだろう。
雰囲気?ムードがいいから?
映像が好みだから?
思わせぶりな演出で謎解き感があるから?
わかりません。
なんで面白いと思うのかすら、わからない。


わからないけど心が動かされるって、素晴らしい。
たとえば人を好きになるのだって、そうです。
私のどこが好き?なんて聞くことがあるけど、あれは愚問です。
どこが好きか具体的に説明できるなら、それと同じ要素を持った他の人だっていいわけで。なんでかわかんないけど好き、っていう気持ちこそが、信用できる。
言葉で説明できないものが、本当です。

というわけで、『ロスト・ハイウェイ』は最高。
どう最高かは、説明不能です。


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