デリシャスウィートスが懐かしすぎるんだ

デリシャスウィートスの20周年公演を見に行きました。
昭和の香り満点の、お色気雑技団。歌と踊りと小芝居と、お色気といってもエロくはなくって、それこそ家族で楽しめる感じ。
主催のハイジはもともと服を作っていて、ファッションショーをライブハウスでやってたのが、そこに生バンドが加わったのが始まりです。
そして僕は初代メンバー。アルトサックスを吹いていました。ライブはたしか3回しか出てないけど。
20周年ということで、ゲストで初代ダンサーも出るっていうし、その頃のバンドメンバーも見に来るっていうし、なんといっても20周年ですからね、見に行きましたよ。

すごかった!
何がすごいって、変わってないんですよ!
いや、メンバーも何度も入れ替わってるし、ショウの中身だって進化して洗練されてるんだけど、センスというかテイストというか世界観というか、20年前と変わってない。まったくブレてない。同じことを20年続けるって、すごいことです。
音楽なら、20年続けてる例えばロックンロールバンドがどれだけあるかっていう話ですよ。ストーンズだって、今は落ち着いてるけど、音楽性は何度も変わってるし。
まあ、「デリシャ」の場合は、最初から時代性やトレンドとは無縁のことをやってるわけだけれども、それでもやっぱすごいよ!

会場には、知った顔が予想以上にたくさんありました。
ハタチくらいでバンドを始めたときの相方の奇人で天才の親友。バカで憎めないファンキーなサックス野郎。当時のバンド仲間。もちろん初代ダンサーたち。20代の頃の高円寺青春時代の、まるで同窓会です。
そして、デリシャとは別にその後いろんなところで知り合った人たちも、お客としてスタッフとして来てる。
まったくどうなっているんだ。

長く続けてると、知り合いが増えます。
それはもちろん、単純に出会いの積み重なりもあるけれど、それだけじゃなくて、続けてる人がだんだん減っていくからです。
音楽に限らず、表現活動って、お金の儲かるものではありません。
じゃあなんでやってるかっていうと、好きだから。
そして、好きの度合いも人それぞれです。若い頃は、なんとなく好き、ってくらいでもいいけれど、歳を取るにしたがって、よっぽど本当に好きじゃないと、続けてはいられない。
だから、全体数がどんどん少なくなっていって、でも出会いは増えていって、そうすると知り合いに遭遇する確立も高くなります。

それにしても、知り合いに囲まれたぬるま湯のような居心地の良さ。
デリシャって、メンバーの中で付き合ったり別れたり子供ができたりもして、まるで家族のようです。家も近かったりするし。
僕だって何年もずーっと疎遠になってたのに交流が再開したのは、ハイジと近所でバッタリ会ったのがきっかけですからね。
あんまりにも変わってないから、まるでホームに帰ったかのように居心地がいい、不思議な集団。
きっと、この居心地の良さが、人が集める秘訣でもあるんでしょう。

青春と呼べる頃の風景が、まだそこにあって、みんなもいる。
かつての相方と並んで、初代ダンサーが踊っているのを見ているのは、なんともいえず感動的でした。
歳を取るのって、いいもんだな、と思いました。

【今日の1枚】
デリシャのニューアルバムです。
サザナミレーベルより、9/5発売。
僕も数曲クラリネットを吹いています。
このジャケットがお好きな方には、気に入ってもらえるでしょう。



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