お前が一歩踏み出せば世界はこんなにノロマなんだ

はやいね、って言われます。
メールはわりとすぐ返すし、アイディアを思い立ったらその場ですぐ相手に電話します。たしかに、行動するのははやい方だと思います。
まわりを見渡してみると、数日も返事がなかったり頼んだことをなかなかやってくれない人もいて、そのせいで、こっちの作業も遅れるし、その先にいる人も遅れて、みんな合わせると大きな時間と場合によっては労力のロスになって、けっこう困ることもあります。

なんでなんだろうか。
行動するまでに、GOを出すまでに、時間がかかる。
いろんなことに対して、面倒で後回しにするクセがついてるのか。
あるいは、考えちゃうんだろうか。
これをやったら、どうなるか。
どう思われるか。
うまくいくか、失敗するか。
考えて結果が変わるわけじゃないって分かってても、どうしても考えてしまう。

いままで出会った中で最速なのは、あるベテラン音楽プロデューサーです。
とにかくはやくて、メールの返事なんて瞬時で、それだけで僕はその人を信用してます。
リアクションがあるっていう、そのことが、すでに「結果」なんですよね。 すぐ「結果」が出るって分かってるものは、信頼できる。
YES/NOっていうのは、その次のこと、つまり、すでに結果が出たあとのオマケのようなものです。
「結果」がなかなか得られなければ、その時点で信用は落ちてしまう。
そうすると、答えがYESだろうがNOだろうがそれはオマケに過ぎないんだから、いまさら信用回復することは難しい。
だいたい、YESって言ってくれるから信用できるわけじゃないし。
たとえ返事がNOだったりネガティブなものであっても、自分ひとりで考えているよりも、得られるものがあります。


返事をすぐ返す、すぐ行動する。
そんなの、才能とか関係ない。
体力や性別や、なんにも関係ない。
みんな、やればいい。
たったそれだけで、信頼が築けるんだから。

って言われて、明日からできるようになりはしないのも、わかります。
けど、たしかに簡単じゃないかもしれないけど、誰でもできることには違いないと、思うんです。



【今日の1枚】
Lou Reed "New York" (1989)
勇気とかそういう話になると、このアルバムをなぜか思い出します。
NYの、マイノリティというか、けっして恵まれた状況にいない人々を歌った楽曲群。
とはいえ残念ながら、歌詞がわからないと魅力はやはり半減するでしょう。できれば買って歌詞カードを読みながら聴くか、面倒でもネットで歌詞を調べる、その価値のあるアルバムです。
僕の場合、英語の勉強をしにサンフランシスコにいた時にずっと聴いていたので、歌詞もそこそこ知っていて、思い入れもあります。

ルー・リードって不思議なミュージシャンです。
ボーカリストとしてすごい、ってはちっとも思わないのに、なぜかその声にグッとくる。
僕はわりと歌がよくないとダメなんですが、この人は例外です。
アルバムから1曲。
"Dirty Blvd."


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