2018年4月11日水曜日

やっぱりニューオリンズ音楽が好きだ

バンジョー坂本誠さんとのデュオ。
もはや数少ない、僕が本来のニューオリンズ・スタイルで演奏するライブだ。
坂本さんはいつも素晴らしい。
出す音すべてが心に響いてくる。
僕が感動してきたニューオリンズの音楽のエッセンスを、坂本さんは持っている。
一緒に演奏するたびに、故郷に帰ってきた感じがする。

昨日は、トランペッターの河合大助さんが飛び入りしてくれた。
河合さんは、古いニューオリンズのスタイルを何十年も追求しているプレイヤーだ。
隣で吹いていて、僕は泣きそうになってしまった。
朴訥としていて、けっして上手いとは言えない。
でも、一音めから、どの音も、ニューオリンズだった。
そして、河合さんだった。
ずれていても間違っていても、どんな音を吹いても、吹かなくても、心に届く。
音楽は音符じゃないんだ、と、あらためて思わされた。

ライブのあと飲んでいると、河合さんが、僕のことをほめてくれる。
それも、上手い下手じゃなくて、ニューオリンズを感じる、と言ってくれる。
うれしい。
そういう演奏を目指してずっとやってきたから。

ニューオリンズ音楽で大事なことは、イメージだ。
演奏中、過去のミュージシャンの演奏や、町の風景や人や、雰囲気のようなものを、心の中に思い描くこと。
曲やフレーズは、はっきり言って関係ない。
だから、ニューオリンズの昔のミュージシャンは、みんなスタイルが違う。
定番フレーズや基本リックなんて、存在しないと言える。
そこが、他のジャンルと大きく違うところなんだけど、そういう発想で演奏しているミュージシャンは、今ではとても少ない。
日本で「ニューオリンズ」とうたって活動している中では、ほぼ皆無だ。
僕と同世代やそれより下の世代で、そうした演奏をするミュージシャンを、ただの一人も思いつかない。
ゼロだ。
ということは、上の世代が亡くなったら、僕は大好きなニューオリンズ音楽を演奏することは、もうできない。

今、こうして定期的に坂本さんと演奏できるのは、とても幸福なことだ。
その幸福をかみしめながら、できる限り続けていこう。


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