クリスマス

きのうのクリスマスイブは、ペーソスのライブだった。
特にクリスマス感はない。
その場の思いつきで井原さんが「ホワイトクリスマス」の替え歌を歌ったけど、それはギャグみたいなもんだし。
思い返してみたら、これまでも、クリスマスに何か特別なことをした記憶がない。
子供の頃は、クリスマスケーキを食べたしプレゼントももらったのかもしれないけど、実家を出てからは、クリスマスとは無縁だ。
その時々に付き合っていた相手とも、どこかのお店を予約して〜みたいなことをしたことはない気がする。せいぜい一緒にケーキを食べたくらいだろう。

ひとつの理由としては、音楽をやっていると、祝祭日には、イベントなどで演奏することが多いからだと思う。
昨日も渋谷のデパートの入り口でサックス奏者がクリスマスソングを吹いてるのを見たし、そういう「営業」仕事じゃなくっても、何かしら演奏をしていることが多い。
ライブに人が集まるのは世間が休みの日だから、当然いわゆる会社員の生活パターンとは逆になる。基本的に平日の方がヒマだし。

なので、恋人や家族も、それについてはある程度はあきらめてもらうしかない、というか、そもそもミュージシャンと付き合う時点で普通の価値観ではないわけだから、後から問題になることはあまりないのかな。
ミュージシャン以外のサービス業だって、同じだろう。
クリスマスが稼ぎどき、っていうお店も多いはずだし、きのうの夜はタクシーも普段よりたくさん走っていた。コンビニなんて今は大晦日も正月も営業してる。

そういう職業についたら、世間とは違う流れの中で生きていくことになる。
それを寂しいって思う人もいるのかもしれないけど、僕は逆にいいことだと思う。
でもまあ、このあとを書くと長くなりそうなのでやめておこう。


クリスマスに話を戻すと、アメリカにいた頃はとても楽しかった。
町の雰囲気がとても暖かくって、どこでもクリスマスソングが流れていて、みんな楽しそうにしている。キリスト教が根付いてることもあって、クリスマスは生活の一部みたいなもので、もちろん物が売れたりはするんだけど、日本のような商売感は薄い。
そして、クリスマス当日はみんな実家に戻って家族と過ごすから、町は意外と静かになる。たぶん日本の正月に近い。それはどこの州でもおそらく変わりないはずだ。ニューヨークあたりは違うのかもしれないけど。

ニューオリンズでも、12月はクリスマスソングをたくさん演奏した。
それこそホテルのレストランでリクエストもらって演奏したりもしたけど、いつも楽しかった。クリスマスソングを聴けば幸せになれるって錯覚するくらいに、みんないい笑顔をしてるから。
もちろん、日本で演奏してもみんな楽しそうに聴いてくれるけれど、なんというか、うまく言えないけど、楽しさの種類が、たぶん違う。
だってアメリカの人たちは、クリスマスソングと共に育ってきて、いろんな思い出もあるだろうし、本当に生活の中にある歌だから、そりゃあ日本人とは感覚が違うはずだ。

最近、日本ではあまりクリスマスが騒がれてない気がする。特定の場所や商業施設以外でクリスマスを感じることが減った。クリスマスよりハロウィンの方が盛り上がってるんじゃないだろうか。
どっちも輸入されたイベントだから、けっきょく何でもいいのかもしれない。
そういえば、きのう見たクリスマスソングを演奏するサックス奏者も、どこか寒々しく見えたなー・・・。


クリスマスアルバムっていいものが多いけど、中でもお気に入りはレオン・レッドボーンのもの。その中から一曲 "I`ll be home for Christmas" を。日本ではあまり有名じゃないけど、とっても良い曲です。

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