”Do The Right Thing” だよ!

たぶん20年くらいぶりに、『Do The Right Thing』を見た。

20年経って見ても心が動かされるなんて、すごい強度の映画だな。
スパイク・リーほど、メッセージ性の強い映画監督もいないだろう。
僕は基本的に、メッセージが前面に出る作品は好きじゃないんだけど、彼の映画の数本、中でもこの映画と『マルコムX』は別格に好きだ。
全部のシーンが意思に満ちていて、目を逸らすことができない。僕がブラック・カルチャーについてある程度知ってることもあるのかもしれないけれども。
ピザ屋の店主役のダニー・アイエロがいいんだな。大好きな『カイロの紫のバラ』でもいい役やってたな。

映画としてどうのこうの、っていうことを超越して、突き動かされてしまう。
"Do The Right Thing"=正しいことをやれ、って問いかけを、突きつけられる。
正しいこと、ってなんだろうか。
ちょうど、ピエール瀧や、その前にも新井浩文の件があって、自主規制の嵐が起こって、もやもやしていた。
そのもやもやは、自主規制っていうものが、本当にそれが「正しい」と信じての決断には思えないからだ。
忖度、っていう言葉も流行ってるけど、それもそう。
信じてない。信念がない。
信じてないから、まるではぐらかされてるようで、バカにされたようで、不快なんだよな。

どんな許せないような意見であっても、それが信念を持ったものであれば、対話ができる。
対話ができれば、世界はもっとよくなる。
だから自主規制や忖度っていうのは、平和を乱す行動なんだと思う。

スパイク・リーは、自分のやるべきことを信じてる。
素敵だな。
俺は、何を信じて、何をすべきだろうか。
そうやって、背筋を伸ばしてくれる映画だよ、『Do The Right Thing』は。
きっと、この先20年経ってまた見ても、感動するだろう。
自分が腐っていなければ。

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