シンプルに、忘れたい

ブログを書くのを、ひと月さぼってしまいました。
そんな時の言い訳はいつだって、「忙しかったから」。
フジテレビ系のドラマの音楽を作っていたんです。
三浦貴大と剛力彩芽が主演する、『彼女のウラ世界』というドラマ。
of Tropique 名義だけど、作曲からアレンジや仕上げも僕がひとりで作業して作った部分が大きくて、もともとタイトだったスケジュールもさらに押しまくって、まあホントに忙しかったんです。
おかげで音楽は好評で、ドラマ自体も良いものになりました。ググったしりてぜひ見てみてください。

それで、名前も露出するしと思って、あらためてof TriopiqueのHPを整理しました。
コンテンツを入れ替えて、もうすぐコロナで延び延びになっていた7インチレコードも発売されるし通販ページも作って、そこにTシャツも加えるのにモデルに着てもらって写真撮ったりもして。写真もいいの撮れたんで、見てみてください(オブトロTee)。買ってくれたら、もっと嬉しいです。さらに言い訳すると、あいかわらず全部ひとりでやってるから、けっこう大変なんですよ。

それが3月の中旬すぎまでで、そしたら今度は原稿執筆の依頼があったんです。『点線面』という雑誌に、コロナ以降のこのブログを再録して、さらに1年を総括する文章を書いてほしい、と。なんで俺?と思ったけど、来るもの拒まず、二つ返事で受けました。
ちゃんとした媒体に書くわけだから、ちゃんとやらないと。ブログ書いてる場合じゃないだろう、と思ってまた後回しです。

忙しかったのは、本当です。
でも、何度も書いてるけど、忙しいっていう言い訳をしていたら、なにもできない。停滞のはじまりです。
それは、いやだな。
と思い直して、ちょっと煮詰まってた原稿書きの突破口が見えた勢いで、ブログも書いてみています。勢いづいてるから、きっとこの文章は推敲しない。推敲しないことに、いま決めました。
だいたい推敲したってさ、1年後に読み返したら、後悔する箇所がぜったいに見つかる。そうじゃなかったら、同じところに停滞してるってことなわけだし。すべての表現は、そのときの現状報告でしかありえないんだから、だから、いい劇伴を作ったって、いい写真を撮ったって、そんなのなんの価値もないんですよ。
終わったら即座に忘れること。
そういうのがいい。

この一年、音楽活動としては、なかなか難しい状況でした。
振り返ってみても、なにをやっていたのかよく分からない。
ああでもオブトロで録音したな。助成金申請とかしてたのかな。
そんなだったけど、いまやってるのは、どれも一年前には想像もしてなかったことばかりです。こないだなんて演歌歌手のバックでひたすら真剣にマラカス振ってたし、こんどは化粧品のプロモーションの曲を作るかもしれない。クラリネットはどうしたんだって思うこともあるけど、練習はやめてないし、また演奏をたくさんするときも来るでしょう。
そういえば昨日は久々に浅草の寄席に出ました。ぜんぜんお客いなかったし、コロナになってから演奏時間も短くしてる状況だけど、いいんですよ、考えずにただ淡々と目の前のことをやってれば。
とくにコロナの元では、考えたって先のことなんてわかんないし、ともすればネガティブな気持ちが湧いてきてしまう。考えるより行動する方が、出会いや驚きがあるし、そうすれば笑顔になれるし、笑顔の時間が多ければそれは幸せなんですよ。
シンプルなことです。
コロナのおかげで、よりシンプルになった気がする。
この文章も、書いたら忘れます。



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