音楽は日本では必要とされないかもしれないけど僕には必要だ

小池百合子が都知事に再選された。
20時に開票がはじまったと同時に、当確が出た。
それまでほとんど選挙報道をしていなかったテレビは、その瞬間から小池百合子祭りをはじめたと聞く。
保守的で選民・差別志向の人物が、圧倒的な強さで選ばれたということ。
さらに、極右ヘイト主義の人物が18万票を集めて五位だったということ。
投票率は低かった。

反ダイバーシティとでも言うんだろうか。
「先進国」の流れに逆行している。
いろいろなブランドが、ロゴに「Tokyo-Paris-New York」なんて書くほどだった世界都市としての自負は、いつから失われてしまったんだろう。
まあ、実際に日本が文化的に先進国だったことなんて一度もないわけだから、虚勢とうぬぼれに気づいただけなのかもしれないけど。
それにしても、渋谷なんていつのまにか東急グループのテーマパークと化してきているし、人間味がどんどん失われていくようで、20年以上住んでいる東京の魅力が急速に褪せていく。
悲しい。


昨日は、バンジョーの坂本さんとのライブだった。
約4ヶ月ぶりに、人と演奏した。
実際にはすでにペーソスのライブを何回かやってるんだけども、そっちはパフォーマンスの要素もあるから、純粋に音楽的に演奏に集中したライブは、「自粛」後初だ。
これだけ長期間誰とも演奏しなかったのは初めてだし果たしてちゃんとライブがやれるのか、という一抹の不安とうらはらに、とてもいい演奏ができた。
そしてやっぱり、人と演奏するのは楽しい。
こんなに幸せなことはない。
みんな楽器をやったらいいと思う。
上手くならなくたって、とにかくとっても楽しいんだから。

音楽はよく会話に例えられるけれど本当にその通りだし、しかも会話の濃密度は、一晩中語ったあとくらいに匹敵する。
それはまるで、東京がどんどん排他的で非人間的で即物的な町へと変化していく流れに逆行するようなことだから、そう考えると、これからの東京では、そしておそらく日本という国の中では、生の音楽はどんどん隅に追いやられていくんだろう。大多数の日本人はきっと、音楽なんて不要不急と言って切り捨てていくんだろう。
ああ、いいライブをした翌日だっていうのに、先のことを思うと気持ちが晴れない。
なんてこった。
とはいえそれでも楽器を練習するし、機会があればこれからも人と演奏したいし、うん、そうしよう!とあらためて思わせてくれたライブだった。
楽器やっててよかった。
みんなやればいいのにな。



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