めぐりめぐる

先週末、大熊ワタルさんとのイベントがありました。
ブログでも何度か書いてますが、僕が楽器を本格的にはじめたきっかけは、故・篠田昌已のソロアルバム『Compostela』です。
そのアルバムに参加していた大熊さんとチューバの関島岳郎さんも交えてのライブ。
さらに、会場となったバー、Li-Poのオーナー伊藤さんは、当時は音楽業界にいて、クアトロを拠点に篠田さんの活動をサポートしていたそうです。お客さんの中には、篠田さんのファンだった、という方も。
加えて、僕がコンポステラを聴いてサックスを手にして最初にバンドをはじめたときの仲間も見に来てくれました。
SNSのイベントページにも篠田さんに関するコメントがあったり、あらためて篠田昌已の存在の大きさに驚きます。生で演奏を聴いてみたかったなーとつくづく思います。

この日は、自分の曲に加えて、篠田さんの曲も演奏しました。
何度も聴いた曲ですが、人前で自分で演奏するのは初めてです。
Li-Poの壁には、大熊さんがわざわざ持ってきてくれた篠田さんの写真が飾られています。
なんとも形容しがたい、感動的な気持ちでした。
最後には、大熊さん関島さんと、こぐれみわぞうさんもチンドンで加わり、篠田さんの曲を5曲、演奏しました。夢中でした。
予定よりも長丁場となったイベントでしたが、お客さんにも好評で、伊藤さんも、大熊さん、みわぞうさんもとても喜んでくれて、なんというか、音楽をはじめた地点からの長い旅を終えたようで感慨深く、自分が来た道程が間違ってなかったと思えた、特別な夜となりました。
って、普段より大げさな文章になっていますが、ほんとにちょっと特別な経験だったので、どうにも他に書きようがないんですよね。

そして今は、古い友人の冨永昌敬の短編映画に音楽をつけています。
一緒につるんでたのは、お互いハタチ前後。映画や音楽の話をたくさんして、それこそ一緒に大熊さんのライブを見に行ったこともあります。
その後、冨永は映画監督になり、僕は音楽をはじめ、ずっと会わずにいたのが、こうしてまた一緒に作業ができるなんて、出来過ぎた夢のようです。

「運命」みたいなこと苦手なんですが、さすがになんだか、いろんなことが巡り巡って一周したような、不思議な気持ちがします。
だからどうするわけでもないんだけれど、とても嬉しい。
続けてなければ、こんなギフトはなかった。
続けていけば、きっとそれだけでいいんだよな。



x

コメント